2016年2月16日火曜日

「IDEOが陥った死のスパイラル」か「共同デザイン事業を次の大きな挑戦にする」のか?デザインとビジネスの間に揺れるデザイン会社。

「デザイン思考」を世界に広げたIDEO、ビル・モグリッジが経営者だった1991年頃は、よくつきあいがあった。SUZUKIと開発したSW-1というバイクがお気に入りで、米国への輸入を、当時IDEOのスタッフだった深澤直人さんが試みたがレギュレーションの問題で叶わなかった。

当時のIDEOは、まだ物作りが中心だった。その後2001年にティム・ブラウンがCEOを引き継いだ2001年頃から、デザイン思考を強く押しだしマネジメントコンサルティング事業を強化してきた。デザイン思考はなぜか?デザイナーではない人に強い関心を持たれてきたが次の局面に入ったと言うことか?

IDEOは博報堂DYホールディングスの「戦略事業組織」kyuにビジネスを一部売却したと発表した。

IDEOのCEOティム・ブラウンいわく、いまや変化は目が眩まんばかりで、AIやゲノミクス、ロボティクス、データサイエンス、IoTといった今日の最先端テクノロジーは、産業時代における組織やインフラといったものをはるかに凌駕している。そしてそれらはもはや袋小路、先に進む道はない。

もちろんテクノロジーはとどまることなく開発され続け、あるべき場所を探し求めて前進するのみ。わたしたちが今後生き残ろうとするなら、新しく進む道を創造していかなくてはならない。結局のところ、それはデザインの問題だ。幅広くコラボレーションしていくという新しいやり方だ。

同じ投稿のなかで、ブラウン氏は「IDEOが陥った死のスパイラル」といった一部報道について一蹴し、今回の決断は「共同デザイン事業を次の大きな挑戦にする」というより大きなミッションのひとつ、と記している。

理由はどうあれ、IDEOの一部事業譲渡は小さな独立系デザインスタジオを大企業が買い占めるという大きな時流に乗ったものだと語る。

高齢化する世界をデザインで考え直す:IDEO6つのコンセプトより。何年間にもわたって考えや知識の断片を留めることができるキット、オウル(Owl)。オウルは80本のガラス製の筒を備えており、それぞれが人生における1年を表している。

http://wired.jp/2016/02/14/ideo-just-sold-part-of-its-business/

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