2020年7月7日火曜日

かなり突っ込んだBe-1開発の裏話

久しぶりに、そしてかなり突っ込んだBe-1開発の裏話、つまり未公開の情報がたくさん解放されています。清水潤さんの根回しの力には驚かされました。映画フォードvsフェラーリっでも垣間見えたように社内の壁は何重にも重なり合いサイロだらけでした。清水潤さんの社内の壁を突破していった。デザイナーの役割には①デザイン作家(創作プレイヤー)②デザイン企画者(プロデューサー)③デザインの大組織を統括運営するデザイン経営者の3つの役割があるが、清水さんはこのデザイナー三種の役割すべてにおいて第一人者であり、日本の自動車デザインの代表的存在でした。雑誌OLD- TIMER 2020年8月号 No.173からの4ページです。 





2020年6月28日日曜日

現在の社会経済環境がきわめて予測困難な状況に直面しているという時代認識を表す言葉「VUCA」

 昨日の福田淳さんとの対談を終えて、キーワードなどを資料として作成した。

最近のウィズ・コロナ渦中の議論の中に必ず使われる言葉に「VUCA」がある。「VUCA」とは、Volatility(変動)ボランタリティー、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)の頭文字をつなぎ合わせた造語で、これら四つの要因で、現在の社会経済環境がきわめて予測困難な状況に直面しているという時代認識を表す言葉だ。私の顧客の企業は、どのように予算を立ているのだろうか?このように変動し、不確実で、複雑で曖昧な2020年の社会経済環境を見て改めて未来予測の不可能な時代に突入したことは確信できる。「つまり一寸先は闇」ですね。

一方で安宅和人(慶應SFC/ヤフーCSO/シン・ニホン著書)さんが好きな名言 シン・ゴジラの映画の中で赤坂官房長官の言葉「スクラップアンドビルドでこの国はのし上がってきた。今度も立ち直れる」































ウィズ・コロナへの産業ストレス耐性(収益耐性指数)が高いのは、生活必需品を取り揃えるニトリHDやセブン&アイHDなど。ドラッグストア各社のストレス耐性の高さも目立つ。かたや、ストレス耐性が高いと言えないのは、外食、百貨店、アパレル等だ。また最もストレス耐性が弱いのは航空、タクシー、旅行だろう。

ビジネスの現場においても、COVID-19はリモートワークも含むDX(デジタルトランスフォーメイション)を急速に企業は促進し始めた。今後5GやAIやロボット・宇宙などテクノロジーの進歩は急速であり予測は困難、世界の市場は不確実性や不透明性を増した状況となっている。「生きる力」(文部化科学省)など、日本政府においてもVUCAな時代に適応し、自らを柔軟に変えながら人間性やスキルを高めていくことに注力している。そういった時代背景の中で注目されているのが「自己認識力(セルフアウェアネス)」だ。

ダニエル・ゴールマンは、EI(感情的知性)の第一の要因として、セルフ・アウェアネスを挙げる。スタンフォード大学経営大学院の調査でも、リーダーが伸ばすべき最大の能力の筆頭に挙げられた。優れたリーダーは、自分を形づくってきたものをよく知っている。

V 今見られるVolatility(変動性)ではSNS市場を取り巻く変動性があげられる。「mixi」をはじめ、現在では「Facebook」や「Twitter」、「Instagram」、「TikTok」、さらには日本のコミュニケーションを革新させた「LINE」など、数多くのSNSが登場した。わずか15年余りでSNSの市場は大きな変化を遂げている。















このようなSNSは巨大な顧客を持つプラットフォーマーとして君臨し、金融業や広告業など幅広い事業を展開している。ところが未だにSNSをやらない人たちがいる。こういう人たちとは非常に仕事がやりにくい。かつSNSで大半の情報を取るクラスターとオールドメディアで情報を取るクラスターは、まるでそれぞれが別の世界に住んでいるようなものだ。世界共通の変動性は2つのデジタルリテラシーギャップを生み出した。














U Uncertainty(不確実性)現代を取り巻く世界情勢はますます予断を許さない状況となっており緊張を増している。テクノロジーの発展により、グローバル化が実現し、自由貿易が全世界に恩恵をもたらしている一方で、国同士の利害関係に起因する葛藤や争いが続き、保護主義に向かう国が登場しており、世界経済にさまざまな悪影響も与えている。

2016年6月に起きたイギリスのEU離脱問題や、アメリカ合衆国の極端な保護主義政策、香港で起きている安全保障問題などによりカントリーリスクが顕在化し、世界中の株価市場・為替市場は乱高下する事態をもたらしている。不確実性は予測不可能な疫病や政治や気候により、未来がどうなるか予測することが極めて困難だ。















C Complexity(複雑性)既存の枠組みを超えた事業が増えつつある中、個人や組織のビジネス課題や業務は高度化・複雑化しています。また、かつてのイノベーションとは異なる、オープンイノベーションやリバース・イノベーションといった新たな概念への注目が高まっている。学ばなければいけないことが多すぎる。イノベーションとグローバル化が示す複雑性は増すばかりだ。

日本の市場に大きく影響を与えたイノベーションとしては、米ウーバー・テクノロジーズ社が運営する自動車配車サービス「Uber」や、米Airbnb, Incによる一般人が空き部屋を宿泊施設・民宿として貸し出す「Airbnb」があげられる。しかし、こうした画期的なイノベーション・サービスに現行の法整備が追いついておらず、さまざまな課題が発生している。













また、日本では法整備によりイノベーション・サービスのメリットを阻害する事態(民泊事業では年間180日までの上限規制)にもなり、国や法の違いが新たなビジネスモデルの浸透を妨げている。  この国は変わりたくない人が多すぎる。

A Ambiguity(曖昧性)世界中でプロダクトライフサイクルの短縮化や経営を取り巻く環境の変化が起きている。そのため、長期的な予測だけでなく、短期的な予測も難しくなりつつある。曖昧性を包括しながら進むベンチャーキャピタルは、日本でも一般的に認知されるようになり、大企業がベンチャー企業に投資する取り組みも始まっている。























トヨタ自動車株式会社が立ち上げたトヨタグループ株式ファンドは、人工知能、ロボティクス、燃料電池技術を開発するスタートアップを中心に投資、売上高1兆円を超える住友林業株式会社は、当時社員数がわずか20名だった建設事業者のプラットフォーム事業を運営する株式会社ローカルワークスと協業するなど、現在の日本は第4次ベンチャーブームと呼ばれている。現代社会では、曖昧性の高い案件に対して短時間で意思決定を行っていく必要に迫られている。

• 予測できるという傲慢さ (predictive hubris) を捨てる
• 組織的な適合性 (organic adaptability) を高める
• 共有化された意識と権限委譲による実行(shared consciousness & empowered execution)
未来は予測できず、適応することしかできない、そのために現実に適応する力を高める必要性があります。
https://bizhint.jp/keyword/40037 を参照要約








2020年6月23日火曜日

皮肉なことにCOVID-19の猛威は「働き方革命」にリモートワークという変革に寄与したようだ。

コロナの後に社会が激変するという考えの人と、またもとのコロナ以前の社会に戻ると考える人と二分できる。なぜこれほど見解が分かれるのかを考えた。結果はもともと社会には世の中を革新したいと考える人と、変わりたくない人が混在した。ところがコロナショックでリモートワークは間違いなく増大した。

















又自宅で仕事をするためにリノベーションで書斎を作る人も増えた。あるいは郊外に引っ越しをして生活そのもを見直す人も出てきた。企業の方もコロナに強い企業作りのためDX(デジタルトランスフォーメーション)の採用は多くの企業が熱心になってきた。これくらい大きくグローバルな災害でもないと社会は簡単には変わらないのだろう。


サントリーやソニーなどがデジタル分野などの専門人材の獲得に向け高額の年俸を提示するなど、今企業は専門人材を奪い合うようになった。経営者もデジタルテクノロジーを理解出来ない人は、いずれ引退を余儀なくされるだろう。またリモートワークで通勤時間が不要になり、生まれた時間は副業に使える。

個人の生産性はトータルでは高まるだろう。コロナ以前は、受け入れの実績がある大企業は三菱地所やヤマハ発動機など一部にとどまっていた。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大の防止のため、リモートワークが拡大中だ。ライオンのように外部企業からライオンの仕事を副業として受け入れる人は求めて、大いに人々の関心を集めた。














東京都のテレワーク実施企業が1カ月で急増し6割に、都が調査結果を公表。調査時期は2020年4月で、都内企業に向けて実施した。テレワークを導入していると回答した企業は62.7%と、同年3月に実施した前回の調査より38.7ポイントの大幅増だった。リモートワークは電車の危険な3密回避も出来る副次的な効果も期待出来る。

本社勤務のほぼ全員がテレワークにシフトしたカルビー。すんなりと移行できたのは2009年から成果主義の報酬制度を順次取り入れてきたことが大きい。働く場所や時間は社員の自由。具体的な数字に基づいて会社と交わす「契約」の達成具合で給料が決まる。
























2020年1月頃から日本国内でも新型コロナウィルスの感染者が確認されてからというもの、企業でのリモートワークは加速している。GMOインターネットグループでは、2020年1月27日、新型コロナウイルスの感染拡大に備えて4000人規模で一斉在宅勤務体制へ。この従業員規模で、かついち早く切り替えたことから、話題となった。

また、Yahoo!やメルカリ、NTTグループなど大手からリモート化の動きが広まり、2020年4月現在は中小企業でも急激に進んでいる。それに伴い、「家だと仕事がはかどる」「通勤の苦痛を味わう必要がない」「時間を有効に使える」などポジティブな意見を持つ人も増加した。どうやらリモートワークは、皮肉なことにCOVID-19の猛威は「働き方革命」にリモートワークという変革に寄与したようだ。

2018年の調べでは。

• 1.創業からリモートワークしている会社

• 株式会社キャスター
• 株式会社ブイキューブ
• 株式会社Everforth
• 合同会社selfree
• 株式会社Misoca
• (株)沖ワークウェル
• ChatWork株式会社

• 2.後からリモートワークを導入した会社

• 日産自動車株式会社
• 株式会社あしたのチーム
• 株式会社ダンクソフト
• 株式会社A.C.O.
• 日本電気(株)
• (株)NTTデータ
• KDDI(株)
• 日本オラクル(株)
• 住商情報システム(株)
• 日本HP(株)
• 日本ユニシス(株)
• (株)システムインテグレータ
• (株)ローソン
• (株)ベネッセコーポレーション
• 昭和シェル石油(株)
• アサヒビール(株)
• 株式会社カルビー
• 株式会社日建設計総合研究所
• 積水ハウス株式会社
• 東京急行電鉄株式会社
• 株式会社三井住友銀行
• マツダ(株)
• (株)カネボウ化粧品

• 3.制限なしのリモートワークをしている会社

• 株式会社 Phone Appli
• 沖電気工業(株)
• 日本IBM(株)
• 富士通(株)
• 株式会社サーバーワークス
• 株式会社ソニックガーデン
• 株式会社日立製作所
• NTTコミュニケーションズ(株)
• AQ株式会社
• 株式会社リクルートホールディングス
• カルビー株式会社
• サイボウズ株式会社
• 株式会社アトラエ
• 日本マイクロソフト






2020年6月16日火曜日

「移動や放浪」が人生に与える意味は、一時情報の身体化だ。

 皆さんも、リモートワークにも慣れ始めた頃でしょうか?ステイホームもカムファタブルですが、やはり外に出たいですね。県を跨がった移動の自粛はもとより海外への旅行はハードルが高い状態が続きます。ステイホームも、これだけ続くと本来が移動好きな私には、移動への願望がより強くなります。この際「移動や放浪」が人生に与える意味を考えてみます。















僕は60 年代後半、既存の日本社会や日本企業に居場所はないと考えて渡米し19才の時にサンフランシスコで「Tatoo T–shirt」を製造販売する会社を起業した。自由にヒッチハイクをして、気ままに公園で寝泊まりしたこともあった。

一方当時の米国の中産階級は、ネクタイをしめたお父さんとレストランへ食事に行くような「パパ大好き」というドラマが象徴するような典型的な保守的なアメリカと、真逆の既成の価値観を否定するヒッピーのような新しいジェネレーションが思い切りぶつかった時代だ。

そういう若者の精神が公民権運動(黒人に対する暴力や構造的な人種差別の撤廃を訴えるBLACK LIVES MATTERは2020に起きている。未だに解決しない)、ウーマンズリボリューションなどのマイノリティーの解放を進めた時代だ。1960年代には、私も含めヒッピーがヘイト・アシュベリー地区に集まった。














そして1970年代には、サンフランシスコは性的少数者(LGBT)の権利運動の中心地となった。そいう時代背景の中で活動家でゲイのハーヴェイ・ミルクがサンフランシスコ市会議員に当選した。今の若者は知っているようで知らない「ヒッピー」という言葉。それは60年代にサンフランシスコを中心に発生したカウンターカルチャーだ。ヒッピーの持つ反戦・自然回帰・自由・博愛などの思想は世界中に波及し、日本の学生運動にも大きな影響を与えた。















この時代にこサンフランシスコに住んだ3年半は、今考えると私のような日本人にとって手垢のついていない一時情報を身体化の旅だったと想う。まだ若い感性の豊かな知覚を持ち、課題解決を行うためには、できるだけ多くの一次情報の経験を積むべきだろう。 一人で孤独の中で旅をすると、ぎりぎりの、自分という人間の全存在が完全燃焼するような生に気がつく。そういう自分自身への問いに全身でぶつからずにはいられなかった時代だ。考えるより感じることに多くの意味があった。Googleの検索窓に入らない言葉や、数値になっていない世界が大半である。

実際私だけで無く当時の日本人の多くの若者は世界中を放浪していた。日本だけで無く世界中の若者は人生の意味を求めて放浪をすることが昔からあった。また特に何らかの意図を持たずに放浪を繰り返すものも多く、放浪の体験やそこから得た印象を元に文学や絵画をはじめその他芸術に昇華したものも多い。有名なところでは西行や松尾芭蕉、種田山頭火、 山下清、ダモ鈴木、宮川アジュ、アルチュール・ランボーがいる。あの山田進太郎も世界一周を終えた後にメルカリを起業している。




2020年6月11日木曜日

吸音カプセルチェアは新しいオフィスのリアリティ、ポストCOVID-19ファニチャーだ。





カテリーナソコロバによってカサラ用に最初に設計されたカプセルコレクションは、COVID-19のポスト作業環境で新しい生活を提案している。多くの人々が自宅でリモートワークをしている。またはオフィスでソーシャルディスタンシングを確保する必要があるため、カプセルのアームチェアの繭のような形は、外の世界から遮断し、気晴らしが出来る快適な場所を提供した。













カプセルアームチェアは、広々としたオープンスペースのオフィスの真ん中やアパートの中に設置できる。それはあなたの仕事に集中し、プロセスに飛び込む場所としてsokolovaによって設計された。設計の最も重要な要素の1つは、内側と外側を覆う吸音性の室内装飾だ。
















この家具を使用すると、他の人の気を散らすことなく電話で話したり、外部ノイズから大幅に保護したりできる。カプセルの形は、他者とのソーシャルディスタンシングを維持することも出来る。 「未来のオフィスへようこそ!」–カテリーナソコロバ

カテリーナ・ソコロバ「私は内向的です。私は、他のいくつかのデザインスタジオと共有している、広々として騒々しいオフィスで働いています。気を散らす音や同僚の活動が多いため、特定の仕事の問題に集中することが難しい場合があります。隔離が始まったとき、私はリモートで働き始めました。
















在宅勤務の最初の1か月で、私の効果は50%に低下しました。リラックスしすぎて、一緒にいて仕事を始めるのは難しいです。現在の状況では、社会的距離を保ち、オフィスに集中し、ホームオフィスで働く気分に切り替えるためのいくつかの一般的な解決策を探すように求められています。」
































プロジェクト名:casalaによるカプセル
all images courtesy of kateryna sokolova
デザイン:カテリーナ・ソコロバ
https://www.designboom.com/

2020年6月1日月曜日

ビラルデルによる木製の彫刻はくぐるスパイラルとループのすごさ



 昨年の夏にポンビドゥセンターのすぐ隣に小さなギャラリーで、ブランクーシのアトリエがある。こちらもミニマル・アートの抽象・簡潔・素朴な作品が印象深いアトリエだ。そのブランクーシの影響を受けたであろうXavier Puente Vilardellはコーヒー色の木のブロックを人目を引く彫刻の形に変えている。





























そのいくつかは建築構造や、風、雨、海の乱れた波によって形作られた他の自然の形に似ている。ブリュッセルに拠点を置くアーティストは、可鍛性の高い素材である松の木を使用している。これにより、正確で湾曲した構造フォームを作成できる。






















一連のYoutubeビデオで、ビラデルは彼のスタジオの周りに仮想訪問者を示す。スタジオには、壁に取り付けられたさまざまな軸と、彼がアートワークを作成するための原材料である木の丸太の山が備わっています。





















彼の彫刻を作成するために、Vilardellは伝統的な切削工具を使用し、各作品を手作業で作ります。彼のスキルと忍耐力により、彼は木のブロックをあらゆる方向にねじれる彫刻された形に変えることができ、ほとんど重力に逆らうように見える。



https://www.thisiscolossal.com/2

2020年5月30日土曜日

COVID-19が変えた人々の心の変化と極端な行動変容を調べてみた。



巨大企業の経営者であるビリオネア。この未曾有のCOVID-19危機に対して、どのような変革の行動を起こしたのか。 4月7日に自らの総資産の1/4以上にあたる10億ドルの新型ウイルス問題対策基金を設立すると発表し、大きな注目を集めた。個人の新型コロナウイルス対策の寄付として最大規模で、傘下の財団などではなく私財から拠出し、資金の元手がツイッター株ではないことなどが話題になった。10億ドルは、ドーシーが共同創業者兼CEOを務める決済サービス企業スクエア(Square)の株式でまかなわれる。
















ツイッターの経営手腕については批判も多かったドーシーは、スクエアのフィンテック事業では高い評価を得ており、今回の支援の裏付けにもなっている。すでに食糧支援組織アメリカズ・フード・ファンドに10万ドルが支払われた。なお、アメリカズ・フード・ファンドは4月5日、レオナルド・ディカプリオ、ローレン・パウエル・ジョブズ(故 スティーブ・ジョブズ夫人)、アップル、フォード財団の計1200万ドルの出資で設立された。

パンデミックに揺れる人々の心の変化のプロセスがステージ1からステージ5に分類されている。ステージ1:混乱・動揺、ステージ2:変化への対応、ステージ3:順応・適応、ステージ4:収束の兆し、ステージ5:収束後の生活へ。
















目に見えないウィルスに命を奪われる恐怖による心の揺れは案外無自覚な人が多いが確実にストレスとなり人々に意外な行動をとらせる。人々の感情は、ストレスや無力感などが強い日本に対し、米国では一旦ネガティブに振れた心情が徐々に通常に戻りつつある。まだパンデミックが終了したとは言えないのに。。

まず著名なビリオネアたちのCOVID-19のパンデミックでの行動や寄付先を分析した記事を読むと、なぜか合計2095人のビリオネアの多くはCOVID-19以降に寄付をしていない。レアケースの一つは桁違いの寄付を発表したのはツイッターとスクエアの共同創業者でCEO、ジャック・ドーシー。ビリオネアランキングでは804位だが、資産の1/4以上にあたる10億ドル(約1070億円)を新型コロナウイルスやほかの課題解決のために寄付すると約束した。

イーロン・マスクはパンデミック後、突然「住宅を所有しない」つもりであるとして、全ての住居を含むほぼ全ての持ち物を売却することを計画しているとツイートした。ウィリー・ウォンカ役で最も有名なジーン・ワイルダーの家で敷地約2700平方メートル、メーンの住宅は約260平方メートルだ。当時の売却希望価格は950万ドル(約10億2000万円)だった。




























私のビジネスパートナーは、ミッドタウンのマンションと、その近辺のオフィスも処分して日本の南の方にセミリタイアすると言い出した。ある友人はリモートワークの恩恵で家族ごと地方都市に移住を決めた。我々は引きこもりの間に、大変なストレスを受けたはずだが、まださほど自覚していないが、実は我々の心はまだ戦闘状態だと思う。

私における大きな心の変化は、一言で言うと「断捨離」だ。遺言状を書き弁護士に預けた。後二年の75才で代表を交代することも決めた。そしてCOVID-19の少し前に自動車の所有と運転をやめた。これは余計な人生のリスクを減らしたいという理由だ。そしてリモートワークが意外と効率が良いことに気がついた。














移動する時間のロスや、過剰な人との付き合いは少し減らと夜は4時間くらい、ランチでは2時間程度削減できる。いわゆる人生の省エネ運転だ。ZOOMでの「好奇心とイノベーション」の出版記念イベントが期待以上数のファンが集まってくれて手応えを感じた。私は本にも書いたが、もうコロナ以前の生活には戻らないと、今でも思う。











今回強く感じたのは、コロナに極端に弱い飲食業のようなビジネスには手を出さない。たとえ第二波が来ようが第三波が来ようが、負けない強いビジネスに業態変革をしたいと思った。簡単に言うと「非接触ビジネス」だ。映像や、書籍や、ファッションなどのコンテンツやプロダクトを自らが作り、特定のファンを大切にした「 D to C 」ビジネスを構築する準備をこのステイホームの時間で準備した。糸井重里さんの「ほぼ日」は良いお手本だ。来月か再来月にはオンラインサロンをDMMで行う準備もしている。




2020年5月25日月曜日

"人工知能を語る前に......そもそも人間の知能って何?"書籍「好奇心とイノベーション」ギリアの代表取締役社長・清水亮さんとの対談


第5回は、「ヒトと AI の共生環境の実現」を目指し設立された ギリアの代表取締役社長・清水亮さんとの対談です。令和時代 の人工知能・AI はどうなるのか、人間の知能を再現できるのか。 人間の知能はどんなものなのかを掘り下げます。


清水 亮 ギリア代表取締役社長

新潟県長岡市生まれ。プログラマーとして 世界を放浪した末、2017 年にソニー CSL、 WiL と共にギリア株式会社を設立、「ヒトと AI の共生環境」の構築に情熱を捧げる。東 京大学先端科学技術研究センター客員研究 員。主な著書に『教養としてのプログラミ ング講座』『よくわかる人工知能』『プログ ラミングバカ一代』など。
















[人工知能を語る前に......そもそも人間の知能って何?]

Siri と話しても虚しいのはなぜか
坂井 :ディープラーニングが注目されるようになってから、何でもかんでも人工知能、AI と呼ばれています。

清水 :僕はむしろ人工知能の概念を広げて、電卓から人工知能と呼んでいいと思っているんです。人工知能とは何か。それは「人間の知能を、どんなものと認識するか」を考えるのと同じことです。人工知能が発展するプロセスは、実は、知能をどう認識するかの進化の話なんですよ。例えば 100 年ほど前だと、集計作業は機械にはできないと思われていたけれど、穴 あきカードを発明して、穴の数を数える機械をつくったら、 13年かかると言われていた集 計期間が 1年半に短縮できた。そうやって人間にしかできないと思われていた知的作業を、 機械を使って効率的にやっていくことに関心が高まっていったんです。穴あきカードをつ くった会社は IBM という名前に変わっていくわけですけれど。

坂井: 人力でやっていた情報処理を、機械が代わりにやることで、高速にできるようになりましたよね。

清水: 集計は足し算ですが、次はもっと難しい計算ができるように考えて計算機ができました。だから電卓は、人工知能を目指す最初の道のりにあるわけです。

坂井 :知能を機械化する試みの始まりですね。

清水: 言葉と言葉の関係性も、計算機上で扱われるようになります。第 2次世界大戦下では、暗号を解く機械がつくられました。有名な話ですが、ドイツの潜水艦 U ボートがど こに現われるかは暗号化されていて、解読のためにイギリス政府は数学者を集めました。 ところが暗号の鍵を解くために、すべてのパターンを総当たりで試そうとすると、一つの 暗号を解読するのに、 1万人の数学者がいても 2000 年かかる。でも20 分以内に解か ないと意味がない。そこで数学者のアラン・チューリングは、人力ではなく暗号解読する 機械を開発して、解読に成功します。

坂井: チューリングは、人工知能の父と呼ばれるようになります。

清水 :ここで知能とは何か、という話に戻しますが、最初は「計算が正確で早い人は賢くて知能が高いから、計算を機械化したら人間のように賢いモノがつくれる」と期待した。 けれど、いざ計算機ができて、計算するスピードが上がっても、「求めていた知能と違う」 となって、人工知能の研究は一度挫折するんです。次に「賢くて知能が高い人は、たくさんのものを知っている。問題を解決する最適な手 段が選べる」という仮説があって、いろんな情報処理方法、アルゴリズムをコンピュータ で実行できるようにしました。けれど、やっぱり求めていた「知能」とは呼べなくて、人 工知能の研究は行き先を見失ってしまった。これが 1990 年代初頭です。

坂井 :人間の思考を機械が再現できているとは言えなかったわけですね。

清水: 例えば、犬と猫の違いを写真だけ見て判断するというのは、アルゴリズムでは実証 できません。でも猫は、相手が猫なのか違うのか、わかるわけですよ。

坂井: 猫にもできることが、人間がつくった人工知能では説明できない、と。

清水 :「知能ってこういうものだよね」と仮説を立てて、それを再現しようとする人工知能の研究と並行して行われてきたのが、理屈はわからないけど生物の構造と同じものを人 工的につくり出して知能を再現しようというアプローチです。チューリングが活躍したの は 1940 年代ですが、同時期にアメリカの神経学者のウォーレン・マカロックは人工 ニューロンを発表します。神経細胞をコンピュータで人工的につくり出して、学習させて 知能を再現しようとしました。

坂井 :これがディープラーニングにつながっていくんですね。

清水 :でも長いこと目が出なくて、人工知能の研究は縮小していきます。僕は小学生の頃から人工知能をつくっていたけれど、就職する頃、人工知能だけで食べていくのはすごく難しくて、それで OS とかゲームの方に進んだんです。

続きは


2020年5月24日日曜日

”そろそろ真剣に「ダイバーシティ」と向きあおう”書籍「好奇心とイノベーション」パナソニック山口有希子 さんの章

第6回は、ヤフーや IBM などで BtoB マーケティングに従事し、 パナソニック コネクティッドソリューションズ社へ移籍した エンタープライズマーケティング本部長の山口有希子さん。100 年の歴史を持つ企業で、人材の多様化、ダイバーシティの推進 や企業風土の変革に挑んでいます。培われてきた同質なカル チャーに甘んじず、異質なものと交じり合おうとすることで、 組織やビジネス、教育にどんな変化が生まれようとしているの か、語り合います。

山口有希子
パナソニック コネクティッドソリューションズ社 常務 エンタープライズマーケティング本部 本部長
1991 年リクルートコスモス入社。その後、 シスコシステムズ、ヤフージャパンなどで 企業のマーケティングコミュニケーション に従事。日本 IBM デジタルコンテンツマー ケティング & サービス部長を経て、2017 年 12 月より現職。日本アドバタイザーズ 協会 理事 デジタルメディア委員会 委員長。 ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS マーケティング・エフェクティブネス部門 審査員。
















強い組織をつくるには?

[そろそろ真剣に「ダイバーシティ」と向きあおう ]

[ティーンエイジャーのほうが僕より偉いと思っている]

坂井:初めてお会いしたのは、山口さんが IBM にいらした頃ですね。ダイバーシティ をテーマに話を聞くなら山口さんが最適と聞いて。

山口:IBM は、ダイバーシティをすごく推進している会社で、人材を多様にして生産 性を上げていこうとしています。その前に在籍していたヤフーでも、私は 対 で部下の 話を聞く 1on 1 ミーティングを続けていて、いろんな背景とかキャリア観を持つ人た ちを支援して、一人ひとりが持っている力を発揮できるようにしていました。

坂井: 僕は、中国が未来社会のモデルになると思っているから、頻繁に勉強しに行くんですが、女性の社長や副社長が事もなげにいますよね。もはやダイバーシティという言葉自体が必要ないような感じです。

山口: 日本だと女性の抜擢は、わかりやすい組織のダイバーシティですからね。中国の方と話していると、シンプルに成果を出す、稼ぐことに価値を置いている。強いです。

坂井 :中国の企業を見ていると、事業自体もオープンで、社内に資源をとどめずに外に開いているように感じます。例えば、テンセントが出資している「猫眼娯楽」という映画チ ケットをオンライン販売している会社があるんですが、日本で言うとチケットぴあみたい なもので、中国のオンラインチケット販売の 60%が、その会社を通して行われています。 どの映画のチケットが今買われているかをリアルタイムでディスプレイに出していて、そ のデータを分析して販売しています。

山口: 得られたデータを使ってほかの会社と組んで、ビジネスを活性化しているんですね。

坂井 :世界の EC の 4割を占める中国は、様々な行動がデータでとれます。個人情報の扱いも日本と異なりますし。

山口 :扱えるデータがとてつもなく大きくて、しかも既存のシステムが少ないからこそ、中国はいろんなチャレンジが起きやすいんですね。IT で情報が手に入りやすくなって から、「いいビジネスモデル」とずっと言われ続けているのは、チャレンジの数を増やし てその中から学ぶこと。ところが、それを組織のカルチャーとして根付かせて実践できて いるところって、日本だとなかなか.....。

坂井:2019 年 月にトヨタが、ハイブリッド車の特許を無償開放しましたが、あれ はコア技術を他社に渡すことで、ハイブリッド車市場全体を広げていこうとするチャレン ジですよね。とはいえ、日本はまだまだ同質文化。クラシックな国だなと思います。

山口: ある意味、幸せな国なんだと思います。ガラパゴスでいても、それなりの市場規模があったから、そのままでよかったけれど、労働人口が減って生産性が上がらない中で、 変わらなきゃいけません。日本でもベンチャー企業の若者と話すとワクワクします。いろ いろなことにチャレンジをされている方を応援できるようにしたいし、パナソニックのよ うな 100 年企業も変わっていくチャレンジが必要だと感じています。

坂井 :外から見ているとパナソニックは、チャレンジしているなとわかる要素があります。山口さんがいること自体、象徴的ですよ。でもダイバーシティは、甘い話だけじゃなくて、 血だらけになることもある。ダイバーシティの導入期は、いったん生産性も下がるしね。

山口: 今、中途採用も含めていろいろ外からの知見を入れているんですが、カルチャーが入り交じるとやっぱり大変です。お互いに理解できないし。でも、そこを乗り越える中で、 一緒に目指すべき「パーパス(存在意義)」をきちんとつくれるかどうかが、重要だと思っ ています。

坂井 :そう思います。山口さんは、組織の中でのダイバーシティの定義を、今、どのように考えていますか。

山口: 人として幸せに生きるために、自分らしく選択できるような状態が、ダイバーシティだと思います。人々の価値観や生き方が変わってきているにもかかわらず、会社がこれまでの概念や規定ルールにしばられて、アップデートされないと、そのひずみでいろんな人が困ってしまう。そこをどうやったら変えていけるのか。もちろん仕組みの問題もありますが、一番はマネジメントのトップが、どれだけ真剣に ダイバーシティを実現しようとしているかにかかっています。それぞれの人の生き方を もっと自由にしていくことで生産性を上げていくんだ、大きなパーパスに向かって一緒に 頑張っていくんだ、そう心から信じていなければ、絶対に変わらない。働き方改革も一緒 で、ただ服装を自由にしようとか、フリーアドレスにしようとか形だけやっても本質では ありません。

続きは



2020年5月23日土曜日

世界の権威ある名画にマスクを着けさせる

COVID-19の影響で社会は不安定になり、世界中の市民が怯えている。でも一方で世界の権威ある名画にマスクを着けさせるという「いたずら」を楽しむ人々もいる。このダリなど特異の髭がマスクを突き破っていて秀逸だ。フリーダ・カーロの自画像は女性ですが髭があるので有名です。しかし、その髭はマスクで隠れている。ターゲットになったのは、ハネス・フェルメール「真珠の耳飾りの少女」フリーダ・カーロ「セルフ・ポートレイト絵画の先駆者」アメデオ・クレメンテ・モディリアーニ、グスタフ・クリムト。
サルバドール・ダリ

ヨハネス・フェルメール「真珠の耳飾りの少女」

ピカソの「泣く女」だろうか?

フリーダ・カーロ「セルフ・ポートレイト絵画の先駆者」マスクの下には髭がある

ゴッホの「星月夜」のマスクをするゴッホ

アメデオ・クレメンテ・モディリアーニ

フリーダ・カーロ


ゴッホ

 ‎レオナルド・ダ・ヴィンチ

グスタフ・クリムト




2020年5月21日木曜日

[中国のサービスを世界が真似る日が来るとは思わなかった]陳暁夏代さん、書籍「好奇心とイノベーション」から

第 3 回目は、コンセプターの坂井直樹さんが、今起きている社会の変化の中でも、少し先の未来で「スタンダード」となり得そうな出来事、従来の慣習を覆すような新しい価値観を探る対談コラム。第3回目は、日本と中国、双方のカルチャーに寄り添ったブランディングや若年層マーケテイングを手がける陳暁夏代さんです。「祖父と孫ぐらいの年齢差」がある二人が、中国の飛び級制度、高齢出産、日本のビジネスマナーやメディアなど多岐にわたり語り合いました。

陳暁夏代 DIGDOG 代表

内モンゴル自治区出身、上海育ち。幼少期 から日本と中国を行き来する。上海・復旦 大学在学中からイベント司会・通訳を行い、 その後上海にて日本向け就職活動イベント の立ち上げや日系企業の中国進出支援に携 わる。2011 年より北京・上海・シンガポー ルにてエンターテインメントイベントを企 画運営。2013 年東京の広告会社に勤務。 2017 年、DIGDOG llc. を立ち上げ、日本 と中国双方における企業の課題解決を行い、 エンターテインメント分野や若年層マーケ ティングを多く手がける。















[中国のサービスを世界が真似る日が来るとは思わなかった]

働き方を変えていかないと、優秀な若い子を採用できない


坂井 :年齢差で言うと、僕らは祖父と孫ぐらい離れているよね。僕は第一次ベビーブーム世代。中学生のときクラスが 15あって、 1クラス50 名いました。

陳暁:1学年で 750 人、多いですね。

坂井:10代の多感な時期に、黒人差別の撤廃を訴える公民権運動とか、ウーマン・リブと かが起こって、マイノリティが解放されるのを目の当たりにしてきた世代です。僕の場合 は、 19歳から 23歳までアメリカで会社をつくってビジネスをしていたし、会社に勤めたこ ともないから、同世代の日本人とはちょっと思考の仕方が違うかもしれない。

陳暁 :私も 19歳から 23歳の頃が、自分の中でもっとも思考が飛躍した時期だと思います。私は生まれは中国で、親も中国人です。幼稚園、小学校と大阪にいて、親の都合なのでそ こに自分の意思はありませんけれど。中学、高校、大学は中国で過ごしました。大学に入っ てからはずっと働いていましたね。最初は政治家や芸能人の通訳や司会をしていました。

坂井: 通訳って、両方の文化をわかっていないと、できないですよ、共感力がないとね。

陳暁 :正確さはもちろんですが、それ以上に“ケア力”が問われますね。相手が気持ちよく会話できるように、ニュアンスを含めて橋渡しする姿勢が、VIP の通訳では大事か もしれないです。それが 19歳、 20歳の頃で、その後はどうせ働くならスキルを身に付けた いと思って、いろんな事業の立ち上げに参加していました。

坂井: 僕は、中国に何度も足を運んでいるし、中国人の親友も多いのだけど、いまだ中国人のマインドについてわかってないところがたくさんあります。

陳暁 :マインドを理解するために、中国の最新トレンドを追いかける必要はないと思うんです、時代とともに淘汰されるものなので。むしろ、中国を外から見るか、中から見るかの問題ではないかと思います。私は、日中両方のことがわかる立場で生きていて、中国に行くときは中国人として発言するし、日本にいるときは日本人として思考します。

日本に ない中国独特の思考というと、“自己人”(ファミリー)というのがありますね。例えば華 僑なら、友達や家族じゃなくても、海外においてはファミリーだと思ったり、一度ファミ リーだと思ったらいろんなルールを無視して優しくしたりと、そういった接し方がありま す。

坂井 :夏代さんも海外に住む中国人だから、華僑だね。

陳暁 :そうですね。海外で中華系の人に会うと打ち解けやすいですし、「お互い華僑だから一緒に商売しよう」という風にすぐなります。英語でいうと「バディ」に近い。例えば 何か損をしても「“自己人”だからいいよ」と、圧倒的に保護の対象になる。そういう気 持ちは中国人文化の中に根付いているかもしれないですね。

坂井 : “自己人”なら、たとえ中国と政治的、軍事的に対立している国に住む人であっても、許しあえる? 

続きは「好奇心とイノベーション」



2020年5月20日水曜日

会社からオフィスが消え、街から強盗が消える?「好奇心とイノベーション」編集工学の松岡正剛さん

コンセプター坂井直樹が、今起きている社会変化の中で、少し 先の未来で「スタンダード」となり得そうな出来事や、従来の 慣習を覆すような新しい価値観を探る対談。第 1 回目は編集 工学者の松岡正剛さんと語り合います。松岡さんの蔵書 2 万冊が 壁一面に広がる編集工学研究所内のブックサロンスペース「本楼」 で対談を行いました。

データが街を安全に、人を倫理的にする

坂井 :これまで「会社」というと、オフィスがあって、社員が通勤するものと思われてきましたけれど、今や仕事もミーティングも、どこにいてもできるようになりました。僕の 会社は、自前のオフィスを完全になくしました。今 71歳(対談当時)ですが、まだもう少 しやりたいことがあったので、極力スタッフを減らして、場所もなくして、コストゼロに 近い形にしたんです。

そのほうが好き勝手できますから。それで海外にばかり行っていま す。オフィス自体をなくす選択をする企業は出てきていて、社員が集まって働くスタイル が崩れれば、会社の未来のスタンダードは、従来とは違うものになるんじゃないかと思い ます。

思い返せば、僕が日産「Be–1 」のコンセプトを出したとき、街中には四角い車しか なくて、奇妙な車と言われましたけれど、今や丸いデザインがスタンダードになりました。 イノベーションというのは、そういう新しいスタンダードをつくることなんじゃないか、 僕らがまだ見ていない未来のスタンダードの兆しが生まれているんじゃないか、そんなことを考えています。

松岡 :そうか、坂井さんも 71歳だ。でも暴走しているね。僕は 74歳(当時)だけれど古稀のときに再暴走を決断しました(笑)。ところで、オフィスで働くとか、通勤するとか、 そういったこと自体すべてがネーションステート(国民国家)の官僚と工場がつくりあげ た「デファクトスタンダード」の塊なんですよ。

定められた規格はないけれど、結果とし て事実上標準化している「バカ常識」みたいなもの。ある部屋ができると、誰もが入口が あるだろう、きっと窓があるだろうと思ってしまい、やがて全体にデファクトスタンダー ドというものができあがります。でも、デファクトスタンダードに埋もれていると、ニュー スタンダードはなかなか生まれてきません。

例えば駅の改札を切符から自動改札に変えた電子マネーのように、新しい発見がいりま す。PC の出現からスマホまで、あるいはミサイルからドローンまで、病気からゲノム 情報まで、この数十年の変化を考えると、既存のスタンダードで埋まり過ぎた時代が長かっ たんだと思います。














坂井: 今、上海へ頻繁に行っているのですが、決済は、ほぼすべて電子マネーで、日本の5年、10 年先の未来を見ている感じがします。QR コードにスマホをかざすだけで決済 できて、現金を持ち歩かないから、ホームレスの人も QR コードを付けてお金を集めて います。強盗も街から消えちゃうわけです、人を襲っても意味がないですから。そういう 状況を目の当たりにすると、「現金通貨」自体がいらなくなってしまうのは確実だと思わ れます。

松岡 : ビットコインがうまくいけば、通貨自体も変わっていくかもしれないね。

坂井:そもそも「現金通貨」が流通しなくなれば、ATM も造幣局も、いずれは銀行も AI などを含むシステムやインフラに吸収される可能性が高くなります。僕から見ると 中国はフィンテックもビッグデータも日本では追いつけないぐらい進んでいて。
「好奇心とイノベーション」に続く


2020年5月19日火曜日

中川政七商店の会長・中川政七さんとの対談はビジョンドリブン経営「好奇心とイノベーション」から

第7回は、中川政七商店の会長・中川政七さんとの対談です。 創業 300 年の歴史がある麻織物の老舗で、日本初の工芸をベー スにした SPA 業態を確立させ、各地の工芸メーカーの経営コン サルティングも行ってきた中川さん。工芸の未来や、継続する 企業のビジョンについて語り合います。















300年の老舗が見据える、ものづくりと事業のありかたとは?
”工芸と工業が混じりあったところにある、心地よさ”

坂井: 中川政七商店さんは、伝統のある会社ながら今もメディアで頻繁に取り上げられています。その理由はなんだと思われますか?

中川 :かつては工芸メーカーのコンサルティング事業が注目されていたので、外からの見え方は、「立て直している会社」だったのですが、最近は、「ビジョンに基づく経営が上手 く行っている会社」という視点で取材を受けることが増えました。

坂井: ビジョンドリブン経営ですか。

中川 :はい。商品コンセプトや、ブランドコンセプトのエッジが効いていて、売れている企業でも、その上にある「会社のビジョンって何か?」といったら、生活者はもう思い出せないんです。よく読むとビジョンにいいことは書いてあるんですけれど、商品やブラン ドに結び付いていないことが多い。ビジョンとすべての事業がつながっていること。これはとても大切です。さらにはビジョンに立ち返ることで、いろんな事業アイデアも生まれてくるはずです。

会社のビジョンに必要なものは 3つあります。 1つ目はパッション。そもそもパッショ ンがないとビジョンは生まれません。 2つ目はロジック。ビジョンがあっても、事業につ ながるようにきれいに体系立っていないといけない。一方で商売だから、勝たなくてはい けません。ですから 3つ目はストラテジーです。 3つそろわないと、いいビジョンを掲げ たところで、ワークしません。言っているだけで、やっていることが違う、という話にな ります。おかげさまで僕らが事業を継続してこられた最大の理由は、「日本の工芸を元気 にする!」というビジョンが定まっていることと、そこに向けて愚直にやって来たことだ と思うんですね。逆にビジョンに繋がらないことは、基本的にはやりません。

坂井 :中川さんのお店には暮らしに合わせてアップデートされた商品がいっぱいあると思いますけれど、工芸品って、いまだに国によって色とか形とか、共通するイメージもあるように思います。中国の工芸品だったら、赤とか金とか、龍みたいな文字しか出てこなくて、急にお土産屋っぽくなったりして。一方で、京都のようなエリアのブランドの展開も ありますね。京野菜とか、京あめとか。何でも「京」をつけるのは、僕はインチキっぽい 気がしてしょうがないのだけれど。
続きは「好奇心とイノベーション」














中川政七
中川政七商店 代表取締役会長

1974 年奈良県生まれ。京都大学法学部卒 業後、2002 年に中川政七商店に入社し、 2008 年代表取締役社長に就任。業界初の SPA モデルを構築。「遊 中川」「中川政七 商店」「日本市」など、工芸品をベースに した雑貨の自社ブランドを確立し、全国に 50 以上の直営店を展開。また、2009 年よ り業界特化型の経営コンサルティング事業 を開始し、日本各地の企業の経営再建に尽 力。2016 年 11 月、同社創業 300 周年を機 に十三代中川政七を襲名。2017 年には全国 の工芸産地の存続を目的に「産地の一番星」 が集う「日本工芸産地協会」を発足させる。 2018 年より会長職。


2020年5月18日月曜日

成瀬勇輝さんとの対談「お金が無くなったら生きていけない、と思っていないか?」


坂井 :成瀬さんは、アメリカで起業学を学んだあと、世界中を旅して、枠にとらわれずに活躍する日本人をインタビューしてまわったそうですね。

成瀬:50年代、60 年代のアメリカ文学を彩った「ビートジェネレーション」が好きなんで すよ。行き過ぎた資本主義や大量生産・大量消費の世の中に閉塞感を感じた若者が反発し ていくカウンターカルチャーに憧れがあって、ジャック・ケルアックの『路上』なんかを 読んで、アメリカに行きたい、世界を見たいと思ったんです。坂井さんは、そのころの空 気をリアルタイムで感じていらっしゃるんですよね。













坂井 :僕は60 年代後半、サンフランシスコで「Tatoo T–shirt」をつくって売っていました。既存の企業に居場所はないと思って渡米したのが19 歳のとき。ヒッチハイクをして、公園で寝泊まりしたこともありましたね。当時の中産階級は、ネクタイをしめたお父さんとレストランへ食事に行くような生活をしていました。そうした典型的なコンサ バティブなアメリカと、既成の価値観を否定するヒッピーのような新しいジェネレーションが思い切りぶつかった時代です。















成瀬さんは僕よりだいぶ若いけれど、世代を超えて同じようなことに関心を持っている のかもしれないね。 年代は、あらゆるマイノリティを解放する運動が起きました。あれ から 年経った今も LGBT とか環境保護とか、問題は残っているけれど、昔と違うのは、 社会的な動きだったものから、企業や国家の動きになってきている。

成瀬 :僕は、世界一周の旅を終えてから、 歳のときにモバイルメディアの「TABILABO」を立ち上げ、2017 年にトラベルオーディオガイドアプリの「ON THE TRIP」を立ち上げたんですが、ずっと旅に関心を持ち続けているのは、やはりビート ジェネレーションに興味を持ったことが大きいです。社会問題に対して文学でムーブメン トをおこそうとするところが面白いなと。















ケルアックが書いた『ザ・ダルマ・バムズ』に「リュックサック革命」という好きな一節があるんです。アメリカの若者 万人がリュックサックを背負って世界中に飛び出すこ とで、当時の資本主義黄金時代みたいなものを変えていくことを唱えました。実際、アメ リカの若者たちはバックパッカーになって世界をめぐり、その後、ヒッピーが生まれます。
















旅をして外を見て戻ってきた人たちが、新しい視点を取り入れてヒッピーのコミューンを つくっていくところにすごく興味を持ったんです。コミューンができるとメディアが生ま れて、その中でヒッピーの生活を成り立たせるための知恵がつまった『ホール・アース・ カタログ』が出てきた。












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坂井 :そうそう、これさえあれば、どこでも生きていけるっていう僕らのバイブル。当時

の編集者の一人と友達なんですよ。

成瀬 :そうなんですか!

坂井: 載っているアイテムは通販で買えるようになっていて、今でいう、グーグルとかア

マゾンみたいな本。
続きは、、、
好奇心とイノベーション 常識を飛び越える人の考え方


2020年5月17日日曜日

ドイツのカフェオーナーは常連客が距離を保つための独創的なアイデアを思いついた。



ヨーロッパの国々は再びゆっくりとCOVID-19から復活し始めている。それらの1つはドイツであり、州全体の封鎖措置によって実施された以前の制限は緩和されている。ドイツがパンデミックに非常によく対処した国の1つと見なされているので、これは当然のことだ。

























2020年5月14日の時点で、174,948件の症例が報告されており、7,928人が死亡し、約150,300人が回復しています。 5月6日メルケル首相は、ウイルスの感染速度を落とすという目標は達成され、パンデミックの第1フェーズは終わり、第2の波を引き起こさないように注意を払うよう全員に求めた。




























同じ日、連邦政府は、より多くの制限を解除することを発表した。これにより、レストランが特定の制限を使用して開店を開始する。シュヴェリーンのカフェ「カフェ・ローテ・シュヴェリーン」は、最近、常連客を外に出して営業を再開した。また、顧客との距離を確保するために、テーブルを1.5m(4.9フィート)離した。























しかし、「カフェロシュシュヴェリン」のオーナーであるジャクリーンロゼは、さらに一歩進み、常連客が距離を保つための独創的なアイデアを思いついた。このビジネスでは、顧客の帽子に取り付けられたプールヌードルを使用して、社会的な距離を隔てるサポートをしている。これはカフェの再開のためだけの1回限りのイベントだった。この滑稽な風景は封鎖後の開放感だろう。イベントだったら顧客も許容する。