2020年8月14日金曜日

あれほど強かった日本のメーカーがなぜ弱くなったのか?時系列で弱体化のプロセスを検証してみた。

総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新たな主役になろうと名乗りを上げ、独ボッシュや独コンチネンタルなどメガサプライヤーはピラミッドの頂点を狙う。

CASE(Connected(コネクティッド)、Autonomous/Automated(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)といった「CASE」と呼ばれる新しい領域で技術革新が進む中、クルマの概念は大きく変わろうとしている)の波がもたらすのは、スマートフォン業界のような水平分業型へのシフトだ。トヨタ自動車のような巨大メーカーも自己革新なくして生き残れない。平成の30年間で失われた産業を総括すれば、未来への戦略が見えてくるのではないか?

























小松左京が書いた「日本沈没」では無いが、なぜあれほど強かった日本のメーカーがなぜ弱くなったのかと聞かれることが多くなった。時系列で弱体化のプロセスを検証してみた。電機と電子(自動車と家電)の時代から1990年(平成2年)プロダクトはコンピュータの時代を迎える。パーソナルコンピュータ(ハードウエアとエレクトロニクス)に今後日本の弱点となるソフトウエアが加わわった。














2000年インターネットの時代には(ハードウエアとエレクトロニクスとソフトウエア)に加えてネットワークとウエブサービスが加わる。つまり日本の弱点領域は(ソフトウエアとネットワークとウエブサービス)に増えた。

2010年スマートフォン(ハードウエアとエレクトロニクスの主体はスマホンに変わった)(ソフトウエアとネットワークとウエブサービス)もスマホアプリが加わる。そして現在ハードウエアとエレクトロニクスはIoTデバイスやロボットが主役になり、ソフトウエアとネットワークとサービスに加え(データとAI)が加わり新規分野で産業競争力の強さを失っていく。

総じて言えば日本は機械には強いが1990年以降不得意領域(ソフトウエアとネットワークとウエブサービスと)が広がり競争力を失っていった。そして2019年(令和元年)「主要商品・サービスシェア調査」で、中国は電子部材など前年より2品目多い12品目でトップシェアを獲得した。日本を逆転し、国・地域別で2位になった。このうち中国勢は、スマートフォン向けの中小型液晶パネルと電気自動車などにも使うリチウムイオン電池向け絶縁体で、いずれもこれからの成長産業分野で日本企業から首位を奪った。


2020年8月10日月曜日

「人は遊ぶ存在である」と述べたのはホイジンガだが、それを実践している人がスーパービジネスマンの福田淳さん。

オンラインサロン「コンセプター坂井直樹の近未来ラボ」よりSpeedy, Inc. 代表取締役社長 福田淳様との対談が一部無料公開されました!
https://lounge.dmm.com/content/7642/ 
遊びと仕事の達人福田淳さん、是非ご覧ください。

福田淳は仕事や遊びを自らの五感を通して情報をインプットし、常に自分自身をアップデートし続ける本能を持っている。ビジネスマンでありクリエイターだ。インプットした情報は右脳も左脳も活用し編集しアウトプットする。彼にとっては、すべてが自らの身体を使った体験であり、これからも激変する時代には彼の反射神経がすべてだ。綿密に組まれた五カ年計画など、リーマンや、COVID-19で体験したように一挙に崩れ去る。その場その時に起こる変化に知的身体能力を使って柔軟にサバイブしていくスーパービジネスマンの登場だ。

「人は遊ぶ存在である」と述べたのはホイジンガだが、遊びをすべて肯定的に表現しているのが面白い。福田さんにとっては遊びも仕事も心を満足させることで同じである。 遊びとは、知能を有する動物が、生活的・生存上の実利の有無を問わず、心を満足させることを主たる目的として行うものである。

基本的には、生命活動を維持するのに直接必要な食事・睡眠等や、自ら望んで行われない労働は含まない。また中国古代の哲人荘周の言行録である『莊子』には「遊」という字が106回使用されており、中国思想史の上で「遊び」という概念は『莊子』と密接な関係を持っている。

『莊子』では、人間の心と世界(道)を結びつけて、何物にも囚われれない主体的で自由な心の在り方を「遊び」と表現した。人間の文化はすべて「遊びの精神」から生まれた、あるいは、あらゆる人間文化は遊びのなかにおいて、遊びとして発生し、展開してきたものであると主張した。 
沖縄の海で遊ぶ福田さん





























ホイジンガは、人間を「ホモ・ルーデンス」(遊ぶひと、遊戯人)と呼び、遊びこそが他の動物と人間とを分かつものであり、政治、法律、宗教、学問、スポーツなど、人間の文化はすべて「遊びの精神」から生まれた、あるいは、あらゆる人間文化は遊びのなかにおいて、遊びとして発生し、展開してきたものであると主張した。

他の高度な知能を有する動物に比べて、ヒトは特に遊びが多様化・複雑化しており、生物として成熟した後も遊びを多く行ない、生存にはまったく不要と思われるような行動も多く見受けられる。これを他の動物ないし生物との区別と捉える考えがある。遊びは大きな文化として確立しており、また商品の売り手にとっても市場を左右する要因としても重要である。 

遊びは、それを行う者に、充足感やストレスの解消、安らぎや高揚などといった様々な利益をもたらす。ただし、それに加わらない他者にとってその行動がどう作用するかは問わない。これらすべてwikipediaから選んだが、なかなかさえている。  
▼福田さんの新刊はこちら 「パラダイムシフトできてる? : ポストコロナ時代へ 」 https://www.amazon.co.jp/dp/B0881BP4N3

2020年8月9日日曜日

『フォートナイト』のゲーム内で開かれた米津玄師のスペシャルイベントはデジタルエンターテイメントの可能性を大きく広げた。

8月7日、バトルロイヤルゲーム『フォートナイト(FORTNITE)』のゲーム内で、米津玄師のスペシャルイベントが開催された。 米津玄師が『フォートナイト』に登場  米津の2年半ぶりとなる新アルバム『STRAY SHEEP』の発売に合わせた今回のイベントで、羊のかぶりものをつけた米津は『迷える羊』『感電』『砂の惑星』『パプリカ』『Lemon』の5曲を『フォートナイト』「パーティロイヤル」モード内のメインステージで披露した。 ゲーム世界に没入するとライブそのものだ。 

途中にMCのコーナーがあり、この語りが良い。米津は「今回このライブに至るまでにいくつかの大きな出来事がありました」と切り出し、新型コロナウイルスによるライブツアー延期、そして中止となったことが「もっとも大きなひとつです」とコメント。  

さらに「待ってくれている人を残してバラバラになって、捨てざるを得なかったライブツアーに変わるものを探した結果、実験的にこういうカタチでライブをやってみようと、そういう決断をするに至りました」と、ライブツアーが開催できない無念や待っているファンのことを想って、今回の新たな試みに至ったことを明かした。













新型コロナウイルスによるライブツアー延期は多くのアーティストは壊滅的な被害を被ったが、 米津玄師はポジティブな可能性を見つけた。それはデジタルの可能性を広げ、ZOOM使用のライブを遙かに凌駕した。













そして「未曾有の出来事を前に私のような音楽家にできることはそう多くはありません」「変わっていく時代の中でより新しく、それでいて美しい一瞬をみんなと共に過ごしていたい……そういう想いをいだきながら、今ここに立っています」と続け、来場したゲーム内のファンに感謝を述べた。






2020年8月7日金曜日

オンラインサロン 「コンセプター坂井直樹の近未来ラボ」より廣田さんとの対談が一部無料公開されました!

人生で15冊の本を出版した。15年ぶりに書籍「好奇心とイノベーション」を出版した。また現在オンラインサロン 「コンセプター坂井直樹の近未来ラボ」のために毎週何本か収録している。若い人は知らないと思うが、現在40代50代の方はリアルタイムで私の30年前のTV出演をご覧になっている方もいると思う。
「東京ソフトウォーズ」向井亜紀子+山名清隆+石井苗子
















日テレ「11PM」テレビ朝日「東京ソフトウォーズ」日テレ「MX テレビ」テレ東「NEXT WAVE]とレギュラーが3〜4本あり私の40才の頃には、もっともマスメディアに露出していた。そして今度はオンラインサロンのために映像を収録している。30年前には元気だったTVを含むマスメディアは衰退しつつある。代わりにオンラインサロンのようなSNS界隈が世界的に大きな影響力を持つようになった。
バブルエコノミーそのもの































11月の米国大統領選挙に向けて選挙戦が本格的にスタートしている中で、ライバルを攻撃する最大の「武器」であり、支持者へメッセージを送るツールであるソーシャルメディア(SNS)の使用を、制限しなければならない状況に陥っている。

「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」の記事が、トランプ陣営の内情を報じている。削除や警告表示でトランプ陣営SNS戦略見直しを迫られている。フェイスブックが先週、組織的なヘイト(憎悪)に関する規定に違反しているとしてトランプ陣営の政治広告と投稿を削除した。SNS巧者が選挙を制するということだ。













このオンラインサロンもSNSを使ったPRが最も有効で、いわゆるオールドメディアは、必ずしもSNSの民には影響力を持ちにくい。面白い形で民主化が進んでいる。

なかなかかっこいい映像に仕上げてもらっている。是非チェックしてみてください。
https://lounge.dmm.com/content/7589/


2020年7月30日木曜日

百貨店にとって、包装紙は最も重要なブランドアイテム

三越


昭和50年頃だったろうか? 東京の地下鉄銀座線には、何と三越の紙袋が車体いっぱいに、リボンをつけて現れたことがあった。お中元や御歳暮の季節にもなると目につくのが百貨店の包装紙。中身は何であれ、包装紙に包まれれば百貨店ブランドと認知される。

食品から文化まで何でも商品として売る百貨店にとって、包装紙は最も重要なブランドアイテムといえるだろう。百貨店の包装紙には、どこかテキスタイルデザインの影響が感じられるが、それは日本の老舗百貨店が呉服屋から発展したことと関係があるのかもしれない。
伊勢丹















明治時代の呉服屋は、品物を風呂敷に包んで得意先に持って歩いていた。たとえば伊勢丹は、丸に伊のマークがいくつも染め抜かれた真っ赤な風呂敷を使っていたそうだが、その広告効果が抜群で、伊勢丹の発展に大いに貢献したとある。

戦前まで、百貨店の包装紙の目的は「商品の保護、衛生・安全、店名のPR」だった。それに「ブランド価値を高める」という意味を加えたのが三越だ。それまでの包装紙は地味な茶色のハトロン紙に店名が印刷されたものだったが、三越は1950年に白地に赤い斑点の包装紙を誕生させる。

デザインしたのは洋画家の猪熊弦一郎で、白い紙に不定形に切り取られた赤い紙を貼って作ったという。三越の包装紙の成功で、多くの百貨店がカラー包装紙を制作するようになった。今も当時の雰囲気を残しているのは、高島屋や松坂屋。バラやカトレアの花を描かれた華やかな包装紙は、贈答品として使われることを想定したデザインである。
西武デパート






























広告効果に注目して、包装紙を「動くポスター」と考えたデザイナーもいる。映画タイトルのデザインで有名なソウル・バスは、1965年にオープンした京王百貨店の包装紙などを担当し、新興百貨店にとって客が持ち帰る包装紙やショッピングバッグが最も有効な広告媒体と考えた。50年代の映画のタイトルアニメを思わせる軽妙なイラストで鳥の群れを描いた包装紙は、マティスの切り絵と比べても遜色ない隠れた名作だと思う。
京王デパート














現在、多くの百貨店で使われている包装紙は80年代以降のCIブームの中で制作されたもので、コーポレートマークがデザインの核になっているものがほとんど。すっきりと整理され過ぎていて面白みに欠けるのが残念だ。

伊勢丹

















買い物とは楽しいことなのだから、もっとワクワクするような表現があってもいい。昨年、東郷神社のフリーマーケットで茶碗を買ったら昔の西武デパートの包装紙で包もうとしたので、あわてて「その包装紙をそのままください」と言ってもらって帰った。

作者は陶器のデザインで有名なスティグ・リンドベリ。そのモチーフは、リンドベリ氏自身の日本観によるもので、伝統コケシ、魚、猫、西欧的な洋食器、パイプ、ミシン等の絵柄が入り混じり、当時の新しい生活の型を生み出した日本の状況を表現している。
リンドベリの包装紙
















リンドベリの包装紙を見た瞬間、70年代の雰囲気をリアルに思い出した。デザインが記憶を解凍したのだろう。包装紙のように、日常的に親しむデザインの面白さは、その時はさほど考えない空気のようなものだが、意外にしっかりとインクや紙の臭いや手触りとともに記憶に刻印されているのに驚く。


2020年7月29日水曜日

コンセプター坂井直樹の近未来ラボ、昨日からオープンしました。

 コンセプター坂井直樹による会員制オンラインサロン。幅広い分野から坂井の注目する異才ゲストを招いた定例対談をはじめ、リアルな交流の場も様々展開。 激変する世界を逞しく乗り切るためのインサイトがここにある。














坂井直樹が多くの示唆に富んだ異才のゲスト陣との定例対談を配信し、加えてオンライン相談会、コラム発信、リアルなオフ会・食事会を開催するコミュニティ。 
1回:廣田周作 様 (Henge Inc. CEO 
2回:福田淳 様 (Speedy, Inc. 代表取締役社長)  
3回:猪瀬直樹 様 (元東京都知事/作家)  
4回:スプツニ子! 様(アーティスト)

メイン・コンテンツの定例対談では、坂井の注目する起業家、経営者、タレント、クリエイター、スポーツ選手など、分野、世代、性別、国籍を横断した多彩で異才のゲスト陣を迎えて、サロン会員と双方向で学びの場を提供いたします。
リンクを貼っておきます。
https://lounge.dmm.com/detail/2806/

会員制のコミュニティーだからこそできる核心に迫った対談を配信していきます。
よろしければ、ご参加ください。
どんどんアップしていきますのでお楽しみに。





2020年7月28日火曜日

車の製造原価はどうやって決まるのかを知っていますか?昔は業界では「車は1kgで1,000円」などと言われた。

新車の製造原価はメーカーの極秘情報となっているため、詳細が一般に知られることはない。しかし、複雑な原価計算を抜きにして製造原価の話をひと言でまとめるとしたら、それは「重さ」と「生産台数」ということになる。例えば、新車の開発に500億円かかり、生産設備に200億円の新規投資が必要な場合、合計金額は700億円になる。

このモデルを1ヵ月に5000台、4年の生産期間中に24万台製造するとすれば、1台あたりの開発費と生産設備の負担は約29万円になる。ガソリン車の部品点数はエンジンだけでも約1万点、車全体では10万にのぼる。EVに使われる車全体の部品の数は約1万。実にガソリン車の10分の1になる。












こんな精密機械でもトヨタ・ヴィッツ1.0Fの車重は970kgで価格は1,291,091円。価格を重量で割ると1kg当たり1,331円になる。なんか鉄の量り売りみたいで悲しくなる。このあたりが製造メーカーの暗い未来が見えてしまう。ちなみにトヨタ・カローラアクシオ1.5Xの車重は1,090kgで価格は1,584,655円だ。

価格を重量で割ると1kg当たり1,454円だ。つまり、カローラはヴィッツよりも120kg重くなって293,564円高くなっているが、1kgあたりの車重に直すと、その差は123円しか無い。

昔は業界では「車は1kgで1,000円」などと言われた。レクサスのような高級車は4,000円を超えるものも珍しくはないが、1,000〜1,500ccクラスの小型大衆車は今でも1kgあたり1,000円台となっている。最近はプラスチックの部品も増えたが、車は鋼板を加工して組み立てている以上、大まかに行ってしまえば、「車は重いほうが高い」

米EV大手テスラの組み立て工場の動画を見て欲しい。パチンパチンとシャシー(車台)にモーターと電池を貼り付け、上からカパッとボディーを被せれば出来上がり。まるでプラモデルだ。組み立て作業のほとんどはロボットがこなしている。
参考記事:https://car-moby.jp/article/car-life/useful-information/car-cost/