2015年9月21日月曜日

広重の江戸百『深川洲崎十万坪』には企み(浮世絵コード)が隠されている。この絵は実は風景画に昇華された「政府の隠したかった震災津波」の絵だ。洲崎は津波の被災地で、桶は流された棺桶なのだろう。まるで3.11福島第一原子力発電所事故メルトダウンの隠蔽にも似ている。

浮世絵にはコードが埋め込まれている。先日は広重の江戸百の「浅草田圃 酉の町詣」を事例に謎説きを試みた。今日は広重晩年の傑作「名所江戸百景」のひとつで、有名な広重の『深川洲崎十万坪』の謎を探る。十万坪を見下ろし、天空をゆったりと舞う大鷲と海上に漂う桶、鷲の天高く翼を広げた鋭い視線の先には波間に浮かぶ桶があるだけ。この桶の意味するものとは?つぶさに見ていくと、実に謎に満ちた一枚だ。改印を見ると安政四年(1857年)閏五月この年は巳年とわかる。

名所江戸百景の中には、広重は様々な様々な視点から絵を描いているが、「俯瞰」しているというのは、飛行機も無い時代に元々広重が八重洲の火消しであったことで、普通は誰もが上れるわけでもない火の見櫓からの江戸の景色も広重には馴染みだったのだ。広重の描いたこの絵のあたりから見える景色は、房総半島から三浦半島にかけて江戸湾全景をまさに抱きかかえるように望める絶景だ。

































広重の特長は「俯瞰」と近像型構図で「近景と遠景の構図」だ。その中でも最も俯瞰なのは、今日の一枚である「深川洲崎十万坪」だ。近景の鷲は広重で、遠景の霊峰筑波山は、釈迦が住み「法華経を説いたとされる「鷲の峰」を連想できる。江戸の大火の後だけに宗教心もはたらいたのだろう。

この風景は木場の海沿い、鷲は冬の海辺のシンボルだ。今の東京都江東区、地下鉄・東西線の木場駅と東陽町駅の間辺り。また、画面の中央あたりに、東京都現代美術館がある辺り。しかし元は、江戸のごみの埋立地だ。真ん中には筑波山。この鷲が狙っているのは、海に浮かんでいる謎の桶だ。































実はここに歌川広重の思わぬ企みが隠されている。実は風景画に昇華された「政府の隠したかった震災津波」の絵ではないかと気がついた。洲崎は津波の被災地で、絵からは復興の様子が感じられない。桶は流された棺桶なのだろう。広重の理由として想像すると、この頃「安政見聞誌」に崩れた半蔵門を描いた絵師歌川芳綱が幕府によって処罰を受けた後だ。幕府に咎められないようにコードにしたのだ。

*「浮世絵には禁令で描いてはいけないものが決められていた当時、メッセージをコードの中に埋め込んで隠した。ただ浮世絵の制作側の人々のコミュニティーだけに解る「浮世絵コード」を埋め込んで、鬱憤晴らしをしていたのだ。」http://sakainaoki.blogspot.jp/2015/08/blog-post_30.html



0 件のコメント:

コメントを投稿