2015年9月16日水曜日

「Change」か「Origin」か?現実よりも未来に重点が置かれる米国と、歴史や伝統のある英国ではイノヴェイションに対するアプローチが違う。米国型のGoogleやFBによって世界の価値観が平均化し個性を破壊するという英国型の考え方は感慨深い。

「グーグルを生み出さない」英国式イノヴェイションに学ぶこと:石川善樹の要約。全文は以下のURLから。イノヴェイションという言葉を定義したのは、シュンペーターだ。簡潔にいうと、「新しく組み合わせること」がイノヴェイションの定義だ。

組織内の縦につながったネットワークではなく、組織の外にまたがる多様で横につながったネットワークをもつほうが、イノヴェイション指数(新商品や商標、特許数など)は3倍も高かった。つまり多様性こそ、イノヴェイションを生み出す源泉となる。
















では、日本はどれほどイノヴェイティヴな国になったのだろうか? 国別のイノヴェイション度を数値化した毎年発表ている「Global Innovation Index」という調査によると143の国や地域のなかで、日本は世界22位と低い。

一方、トップ3は、スイス、英国、スウェーデンだ。特に注目すべきは英国で、Originから出発せよ!という英国式イノヴェイションに感銘する。






















何かといえば「Change」と言う米国人、この価値観は長い歴史をもたない米国だからこそ、変化に柔軟だ。しかし「英国式価値観」は「Origin(起源)」に対するこだわりだ。「アメリカではどうやって次のグーグルやフェイスブックをつくろうかとする。

一方英国は、あんな企業が次々と出てきたら、自分たちの“Origin”が壊れてしまう」と考える。検索やソーシャルによって人々の知識や価値観は平均化し個性を失うからだ。































「Change」を目指すのではなく、自分たちの「Origin」に基づいたものでなければならないという強い気概である。米国と英国では、イノヴェイションに対するアプローチが違う。米国は歴史が浅いため、現実よりも未来に重点が置かれることになる。

一方英国は、これまで築いてきた歴史や伝統があるからこそ、現実から出発できる。そして自分たちが立たされている現実の「Origin」を知ることで、「Original」なイノヴェイションを生み出そうとしている。

日本も目指すべきは米国で無く、英国式イノヴェイションだろう。目先の技術革新やもっともらしいビッグ・ピクチャーに振り回されることなく、先人から脈々と受け継がれてきた現実から始めるイノヴェイションだ。すなわちそれは、外発的ではない、「内発的なイノヴェイション」とも表現できよう。
https://wired.jp/2015/09/13/innovate-uk/


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