2012年6月8日金曜日

プロセスの一部を見せる(つまり意図的なネタバレ)と完成品が良く見えたりする。秋元康さんと猪子寿之さんの事例。

このところかなりNaverで、バズっていたThink with Googleの秋元康さんのスピーチ秋元康語録の一つ「グリコの新メンバー(江崎愛美)登場イベントは予定調和を打破するイベントの一つだった。CMでまず見せて『あれは誰だ?』と慌てさせる。













次に「CGではないか?」と疑問を抱かせ、メディアが取り上げ、そして話題になった(ネタバレの)後に、みんなが参加できるキャンペーンを打つ」この秋元さんのテレビを知り尽くした。「人が飽きる」という現実に向かい合い戦い続けるアイデアはすごいなあ。 

しかし、猪子さんの発言にも似たような言葉があった。

「プロセスが重視される時代」というタイトル。紅白の演出について、種明かしをした。あのとき、会場にいた人たちから一番大きな歓声があがったのは、メドレーの最後で、デジタルのスクリーン背景が割れて元のステージ背景が出てきた部分。

でも、テレビを見ていた人たちは、その瞬間にカメラが切り変わって、嵐のアップになっていたのでその映像を見ていない。注目が集まったのは、嵐のメンバーがデジタル映像で作られたボールを動かしていた部分だったのだ。 














会場にいた人たちは事前に何が起こるかっていうプロセスの部分を知っていたから、スクリーン背景が割れる部分で驚いていた。

でも、テレビで見ていた人たちは、結果としてわかりやすいボールを動かしている部分までは感覚的に興味を持てたけど、背景が割れたことについてはわけがわからなくて、瞬間的に理解できなかった。つまり、これってプロセスを理解したほうが、感動が大きくなるってことなんだ。

現在、情報分野の技術だけでなく、自動車やプラントといったものづくりの分野においても、純粋な技術力や性能の良さではなく、その開発におけるドラマや物語を見せることでアピールする事例は数多い。消費行動をより情緒的な側面から促進させている事例である。

「要は、プロセスの一部を見せると完成品が良く見えたりする。それって、情報産業をはじめとした知識産業だけでなく、特許やノウハウとしてプロセスを隠してきた製造業であってもプロセスの一部を公開することが収益につながると思うんだよね」と、コピーレフトの理を語る。

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