2015年10月13日火曜日

デザインには感覚的な部分が多く含まれており、非常に抽象的な工程を経てデザインが行われている。そのためデザイナーはまるで魔術師のように思われたりするが、ライゾマティックスの「グラフィックデザインの視覚展」は、データサイエンスの観点で謎を解析した。

グラフィックデザインには感覚的な部分が多く含まれており、非常に抽象的な工程を経てデザインが行われている。そのために「どんな場所や時に思い浮かびますか」などと聞かれたりし、デザイナーはまるで魔術師のように思われたり、天才と思われたりする。


















ブラックボックス化されている、デザインにおける抽象的な工程を明確に言語化することで、グラフィックデザイン制作における創造性を浮き彫りにする試みがライゾマティックスの「グラフィックデザインの視覚展」だ。いつもは元記事を要約して投稿するが、今回は克明なディテールが重要なため、ほぼ原文の再編集に留めた。






















まずグラフィックデータからピクセルごとにRGB値を取得し、数理統計的な処理を行うことでデザイナーごとによく使用する代表的な色使いを抽出した。データサイエンスの観点から「グラフィックデザインの視覚展」を考えるとアートとサイエンスは同義語になったと思わせられる。AIがデザインを行うことも、過去の天才のビッグデータをAIとし活用するようなことが行われるだろう。






















配色 ~色彩の鼓動~ データビジュアリゼーション

https://youtu.be/5gR7KXXnn5c
ピクセルデータをクラスタリングすると類似した色のピクセル同士がグループを形成する。こうしてできたいくつかのグループがデザイナーの代表的な色に相当する。また、均等色空間では人が感じる色の違いと色空間上で計算される距離とが類似しているという性質があり、人間の感覚に近い色のグループ化が実現できる。































いずれも戦後日本を代表する偉大なグラフィックデザイナーである4者には、確固たる「スタイル」がある。ひと目見るだけでそのデザイナーだとわかる、共通する何か。具体的にはコンポジションかもしれないし、選びとる色彩によって作られているのかもしれない。これまで、グラフィックデザインの作品はデザインの文脈や感性において語られてきた。































その場所から距離を置き、彼らの作品をデータとして捉え、解析することで、偉大なグラフィックデザイナー田中一光氏、永井一正氏、横尾忠則氏、福田繁雄氏のポスター作品たちが生み出してきた作品の「アルゴリズム」を浮き彫りにする。































本作のために、4者が手がけた作品から、ポスター作品約3000点のグラフィックを解析した。解析したデータは色彩、構成。 それらの結果に感性という視点を加えグラフィックデザインを制作した。































解析した”配色” ”構成” そして”感性”の3つの要素を、それらを掛け合わせたグラフィックと共に展示する。そこから浮かび上がる、従来のデザインフローとは違う新たなグラフィックデザインのプロセス、グラフィックデザインの「死角」に迫る。

グラフィックデザインは、配色によって複雑な意味を作り上げていく。色における「絶対音感」を持つと言われる田中一光氏をはじめ、日本を代表する4名のデザイナーの配色の解析を行い、グラフィックデザインにおいて、これまではっきりと言語化されていなかった配色パターンを導き出し、配色を視覚化する。

動きであればモーションキャプチャーやGPS情報、言葉であれば参加者が書いたfontやツイート内容の言語解析、またサウンドといったものだ。本展では、その素材として、グラフィックデザイナーの田中一光氏、永井一正氏、横尾忠則氏、福田繁雄氏のポスター作品を選んだ。

https://youtu.be/3ejadC3dQHU
解析の結果をデータ・ビジュアリゼーションで表現した。 デザイナーごとの代表的な色使いを抽出する為の、3000 枚に及ぶデータ量の解析に使用したアルゴリズムを順を追って視覚化している。具体的には、グラフィックデータのRGB 値からLab 値への変換過程、クラスタリング過程のデータをモチーフとして使っている。

デザイナーごとの代表的な色使いを説明するには3D空間に落としこむことで誰がどの時期にどのような色使いが多かったのかなどが一目で分かるといった利点や、Lab 値が3 次元の値であった事などが理由にあり、デザイナーそれぞれのアプローチ方法を、3Dオブジェクトの色や形の違いによってビジュアライズした。3Dオブジェクトの色は、各デザイナーから抽出された代表的な色使いを現し、体積はその使っている比率がそのまま反映されている。原文は以下にある。
http://www.rhizomatiks.com/ggg/n



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