2010年12月15日水曜日

映画の爆発シーンのスローモーションからイメージを得て作られた照明器具

ペンダントランプから伸びた無数の軸に割れた食器やフォークを、まるで花を活けるかのように突き刺したライト。映画の爆発シーンのスローモーションからヒントを得たという照明器具。これは間違いなくZabriskie Point 「日本のタイトルは”砂丘”」というイタリア映画(アントニオー二監督)のラストシーンだ。その照明器具の名前「ポルカ・ミゼリア」とは驚いたりした時に用いられるイタリアの感嘆の言葉からきている。もともと華やかなシャンデリアのような照明はマウラーの得意分野だ、その隙間から漏れる間接的な光の美しさは圧倒的だ。
「ポルカ・ミゼリア」という感嘆の意味を持つ照明器具




































Ingo Maurerドイツの照明デザイナー・インゴマウラーは、「光の詩人」と称されるほどに情感たっぷりとアーティステイックで美しく、かつミニマムで機能的な作品を作り出しています。ユーモアが詰まった作品は見ているだけで楽しく、あたかもそのものがデザインされたかのように空間を演出する照明器具だ。1932年のドイツ生まれ、今世紀もっとも有名な照明デザイナーの一人だ。しかし、意外にも彼のキャリアは「タイポグラフィー」と「グラフィックデザイン」の仕事から始まった。そう言えば照明器具デザインにグラフィック的な要素が多く見られる。

Zabriskie Point final sequence

60年代後半の学生たちの「反体制運動」を背景に不条理な世界に飲み込まれていく若者の姿を、ピンク・フロイドの音楽にのせて作られた僕好みの名作。この当時僕はサンフランシスコでアパレルメーカーを起業していた。南カリフォルニアを舞台にして撮った作品でリリースはたしか70年だ。警官をピストルで射撃してしまい、セスナ機を盗んで都市から離れようとするマークと、愛人でもある秘書を辞めて瞑想の地へと向かうダリアが砂漠地帯で出会い、Death Valley(ザブリスキー・ポイント)に辿り着く。ずっと続く砂漠と空に砂が舞ってる風景が波打つザブリスキー・ポイント。
照明器具のイメージの元になっと推測される映画の中の爆発シーン


















最後の スローモーションで何度も繰り返される衝撃的な爆発の場面の映像には、当時若者だった僕には、何か別の時間が流れているようで、今見ても幻想的な感覚に引き込まれる。ある視聴者の感想。Absolutly perfect. Amazing! This scene and Pink Floyd... I'm crying:-)))) 泣いてしまうのが、わかるなあ。

監督は、世界三大映画祭(カンヌ、ヴェネチア、ベルリン)全てで最高賞を受賞したイタリアの巨匠、ミケランジェロ・アントニオーニ。彼が鮮やかに切り取る構図と画面が、観る者の心に多くの消えやらぬ印象を焼き付ける。そして美しく壮大な黙示録的フィナーレの爆発は、ただひたすらに圧巻だ。
ピンク・フロイドとのコラボレーションは必聴!ピンク・フロイド収録曲は、「若者の鼓動」「崩れゆく大地」「51号の幻想」




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