世界最大の家電見本市「IFA 2018」で、インターネット通販の巨人である米アマゾンと、白物家電の巨人である中国・ハイアールが、インターネットにつながる家電の「コネクティッド化」で技術協力していくことが明らかになった。
今年も家電の「コネクティッド化」だ。日本的に言うと「IoT(モノのインターネット)」。あらゆる家電がネットにつながり、クラウド上のAI(人工知能)などでユーザーのデータを分析するなどし、家電を通じてそれぞれのユーザーに最適なサービスを提供する。
アマゾンと、白物家電では世界トップクラスのシェア(市場占有率)を握るハイアールが、「今後、世界の家電市場で戦略的に協力する」と発表した。
AI・アレクサを担当する役員、ダニエル・ローシュは「現在、アレクサ搭載のスマートスピーカーは(すでに)存在するが、今後は冷蔵庫やテレビなどの家電に(アレクサが)内蔵されることが当たり前となっていく。日用品の発注なども冷蔵庫から頼めるようになるなど、人々は買い物という行為から解放される。」と述べた。
欧州メーカーでは、独ボッシュや独シーメンス、オランダのフィリップス。アジア勢は、韓国のサムスン電子、LG電子、中国のハイアール、東芝の白物家電部門を買収したことで知られる美的集団(マイディア)といった大手メーカーが巨大なブースを作り、様々な「コネクティッド家電」を展示した。
ハイアールのブースには、他のメーカーの一歩先を行くような家電がいくつも展示されていた。鏡に天気予報やニュースなどの情報を表示する「スマートミラー」や、AIが個人の嗜好などを分析し、服のコーディネートなどを提案してくれる「スマートクローゼット」など、どれも最先端のコネクティッド家電だ。
今回の発表について、ハイアールの広報担当者に尋ねたところ、「ハイアールのハードウェアと、アマゾンのAIスピーカーを掛け合わせることで、あらゆるシーンでのスマートサービスを実現、全世界のユーザーに『スマートリビングシステム』を提供できる。
今後世界で市場を開拓するうえで、多くの言語で交流できる『スマート音声プラットホーム(基盤)』を活用したAIによるサービスを提供していく予定だ」と語る。
結局この手のプラットホームは、各メーカーがそれぞれ独自に作っても淘汰される。つまりユーザ数が圧倒的に多くなければ勝てない。アマゾンとハイアールが組むというのは圧倒的な数のユーザを手に入れることになる。
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