2010年10月30日土曜日

クリストは「包む芸術家」巨大な大自然から建物まで布で包んでしまう。

皆さん、クリストというアーテイストをご存じですか?僕はクリストの名前は京都芸大にいた頃から聞いていた。そしてクリストのアートの手法に非常に興味があった。その手法を一言で言うと「包む芸術」巨大な大自然から建物まで布で包んでしまう。動画にも出てくる「ヴァレー・カーテン」(1970-1972年、アメリカ、コロラド州)などは谷間に巨大なカーテンを下げた。この作品は幅381メートルにも及ぶ大きさ。作品は夢のように現れ、夢のように消えて観客の記憶の中にしか残らない。見た者は、人工的な色の布で自然の風景が変わることや、見慣れた都会の風景が梱包で一変することに新鮮なショックをうける。
ヴァレー・カーテン

























僕の記憶が正しければ、「私は政治家ではない、ビジネスマンでもない、ただの芸術家だ」と開き直ったインパクトのある発言だ。プロジェクトは毎回、その梱包や作品設置の舞台となる場所の住民・政府官僚などとの許可が必要であり、しばしば反対運動や「これは芸術か否か」といった論争に巻き込まれながら、巨大なお金を集め芸術活動を遂行する。しかし、それもクリストの意図であり、実現までの社会的、政治的な交渉、経済的な問題、プロジェクトにかかわった人々との交流、クリストは「こうした全過程を自らの作品」とみなしている。とても不思議な交渉術を持ったアーティストだ。それぞれのプロジェクトにかかる巨額の費用は、主にプロジェクトの設計図、完成予想図などのドローイングの販売などでまかなっている。クリストは生まれた地ブルガリアで美術を学び、1956年20歳のとき鉛筆だけ持って西側に脱出。パリでフランス人のジャンヌに出会い結婚している。
梱包されたライヒスターク 



















この画像の作品は「梱包されたライヒスターク (帝国議会議事堂)」当時ベルリンの壁崩壊1989年以前以降を跨いだ長期プロジェクト、19711995年の24年間かけて完成し、わずか二週間公開された。しかし、この写真を見る限り、とてつもなく美しく夢のような風景だ。この画像はベルリンの現在の国会議事堂「梱包されたライヒスターク」1995年、ドイツ、ベルリン。ドイツ議会を巻きこむ長年の論争の末、やっと実現したプロジェクト。放火事件や第2次大戦で廃墟となり、統一ドイツの議事堂になる予定だったライヒスタークを完全にポリプロピレン布で覆い隠した。わずか2週間で500万人を動員。布やロープも既製品ではなく、作品のために織られ、材料費等の直接経費だけで約7億円がかかった。 
アンブレラ





















日本では1991年に6年間の準備を経て、茨城県とカルフォルニアとに、同時に3100本の傘を立てた「アンブレラ」が注目をあびた。常に美術界ばかりでなく、社会的にも大きな話題を投げかけている。


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