2010年10月19日火曜日

シンプルな花札のようなデザインで気に入っている製造過程の伊万里焼の大皿

製造過程の伊万里焼の大皿 

この上の画像の伊万里焼の大皿(直径45センチ)はシンプリシティーの緒方慎一郎さんのお店で二つ購入しました。皆さん「何か変だなあ」と思われましたか?この伊万里焼は、制作の途中であえて未完成な物を、緒方慎一郎さんが「これ以上描かなくて良いから」と言って仕入れたものです。職人さんは驚かれたことでしょうね。これ描き込んでいくと、いわゆる普通の伊万里焼になってしまう。そこを止めてしまうのが緒方さんの美意識の面白いところです。しかも、生産の現場に行かないと、製造過程のこの図柄を見ることが出来ません。僕はシンプルな花札のような図柄をとても気に入っています。参考に下の画像は、図案が描き込まれ完成した江戸後期の伊万里蛸唐草大皿。
完成した江戸後期の伊万里蛸唐草大皿
以下に陶芸家の﨑村久さんから頂いたコメント
この白い空間には、おそらく華やかな上絵付けが施される予定だったのでしょう。これ以上描かなくても良いからといわれた職人は、”驚き”とともに”困惑”したのではないでしょうか。永らく不況の元にある伊万里・有田焼。その打開のためあらゆる方向性を探っている中、あえて<その技術を使わない>という選択は、自らの否定にも感じます。しかしその選択は、器本来の美しさを導き出し、今までとは違う伊万里焼の魅力を感じさせる。朝から、”目から鱗”な作品です。



*現在ヤフー「デザインの深読み」から人気のあったブログだけを、加筆修正を行いながら引っ越しています。引き続きの読者の方には退屈だったら、ごめん!

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