2016年1月25日月曜日

論理は直感を超えられない。というcakesでの川上量生さんの話。論理は直感に劣る理由を、脳の認識の仕組みから解き明かしている。

直感というのは膨大な自分のデータベースから一瞬に必要な情報を取り出す行為だろう。一定程度のエクスペリエンスの量が無い限り直感は働かないだろう。大物から「自分に似ている」と思われがちだという川上量生さん。どうしてそう思われるのか。人が人を似ていると思うのはどういう条件がそろった時か、川上さんが論理的に解説する。以下は要約した文面。

川上 どういう時に人が「似ている」と判断するかというと、自分がもっているある形質で、多くの他人が持っていない希少性を持っている人がいた時に、「あ、似てる」と思う。
Lou Beach

















川上 そう。鈴木さんとか角川会長って、普通に考えれば、今までの境遇や生きてきた世界が違うから、僕と似ているはずがないんです。客観的に、僕らのことを知らない人が見ても、あまり似ているとは思わないでしょうね。でも、鈴木さん角川さんも、そして僕も「似ている」と思う感覚がある。それは何なのかというと、希少性のあるところで共通性がある、と思っているということです。

川上 ある程度社会的地位を持った人は、本当に似ている形質を持った一般人が目の前に現れたとしても、似ていることを認めないと思います。そこで、僕の話に戻すと、今の僕はきっとその「似ている要素を探してみようと思う条件」をクリアしているのでしょう。だから、似ていると思われる確率が高いんだろうなって。20代のときに鈴木さんや角川さんに会って仲良くなれたか、と言われたらわからないですよね。仲良くなれたかもしれないけれど、ここまでではなかったと思います。

川上 そうなんですよ。でも僕の場合はたまたま、いろいろな運命のめぐり合わせで、まあ会社がなんとか大きくなったので、成功している人の中ではすごく希少性の高い存在になった。だから、いろいろな人に「似ている」と思われやすい。

—— すごく頭のいい人って二種類いると思うんです。論理主導の人と、感覚主導の人です。川上さんって論理主導なタイプに見えるんですけど、いかがですか。

川上 いやその逆で、僕はどちらかというと直感的な人間なんですよ。僕のロジックは、後づけの理屈です。

—— ああ、直感を理屈で説明しているのか。

川上 そう。それはもう、いつもくせのようにやっています。この考え方がたぶん、直感自体にも影響を与えているんですけど。というか、論理的な人って、そもそも直感の人だと思うんですよね。直感を後づけで説明する人が、論理的な人になるんです。平たく言うと、こじつけです(笑)。こじつけようとしているうちに、論理が発達する。

—— 元に直感がないと論理は発達しないんですか?

川上 人間の脳ってパターン認識してますから、基本、直感なんですよ。それを論理で説明することのほうが、不自然なことをやってるので難しいんです。人間が論理的に考える行為って、一度パターン認識したものを、論理で再構成している作業なんです。そりゃ、人間がつくる論理は直感を超えたものにはなりにくいですよね(笑)。
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