2016年1月4日月曜日

オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。様々なサブカルな本を世に送り出してきた都築響一が「編集」について語りおろした『圏外編集者』が昨年12月上旬に刊行された。

私の古い友人でスティーブ・サミオフという80年代のメルローズのスター編集者がいた。そのスティーブが「キョウイチという面白い日本人が取材に来たけれど知っているか?」と聞かれた。

それがあの都築響一だった。今の若い人は想像しにくいかもしれないけれど、60年代以降マイノリティーやサブカルチャーというメジャーからは反対の極にあるアートや文化がとても面白い時代があった。

しかし、今もそういう日の当たらないカルチャーや人々に響一は強い共感を持ち、1997年から2001年にかけて、プロフェッショナルではない人々によるデザインに注目したシリーズ写真集『ストリート・デザイン・ファイル』全20巻を刊行している。
大阪の写真家・赤鹿麻耶による『ぴょんぴょんプロジェクト vo.1「Did you sleep well?」』
















その後も、秘宝館やスナック、インディーズ演歌歌手など「業界」が見向きもしない、名も無き人々の生き様や創作活動に光を当て、日本および世界のロードサイドを巡る取材を続行中だ。「かっこいい」とはどういうことか、みんな都築響一が教えてくれたのだ。

あくまで”編集者"を標榜する都築響一だが、その仕事は多岐に渡る。ひねりの効いたユニークな感性で写真家、アーティストとしての側面。評価の定まらないモノや人物を取り上げ新たな潮流を生み出す仕掛け人としての側面。ともかく多面体だ。私はとても共感するクリエイターの一人だ。
































『TOKYO STYLE』『珍日本紀行』『珍世界紀行』『夜露死苦現代詩』『独居老人スタイル』『東京右半分』、地方発のヒップホップにスナック等々独特の視点にて様々な本を世に送り出してきた都築響一が「編集」について語りおろした『圏外編集者』が昨年12月上旬に刊行された。

都築さんとっての「編集」とは? 刊行されたばかりの『圏外編集者』珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ‥‥都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。 編集に「術」なんてない。

多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊だ。


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