2011年1月17日月曜日

フォルムがプロダクト・ロゴになりマーク・ニューソンをブランディングしているように、すぐに彼の作品とわかる

よく見るとわかるように、Rock Door Stop(1997 - Magis)それ以降、Embryo Chair(エンブリオ)1988 - IdeeからPlastic Orgone Chair1998 - Marc Newson Ltd )まですべてこの基本形状でデザインしている。まるでフォルムや特徴あるカラーが「プロダクト・ロゴ」になりマーク・ニューソンをブランディングしているように、彼の作品とわかるところがすごい。*Embryo Chairエンブリオの意味は「胎児」
Rock Door Stop
























このスケッチを見ると、マークはボリューム感をとても大事にしているように見える。ジュエリーデザインからスタートしているということも、その理由の一つだろう。なぜならジュエリーのデザインは小さな貴金属にボリュームを出すことに苦心するからだ。
Embryo Chair






























Marc Newson - Sketches
Travel through the mass of sketches and thoughts of the successful industrial designer Marc Newson.
IDEEと組んで製作した「Embryo Chair
この椅子のインパクトから、彼のデザインの特徴は「オーガニック」と表現されることも多いが、同じく有機的な曲線を使うルイジ・コラーニやフィリップ・スタルクなどとも違う60年代に流行したスペースエイジ的な個性を感じる。
Plastic Orgone Chair






























60年代のデザインの特徴の一つは、映画に登場した未来的なイメージが即座にファッションやインテリアに取り入れられたことだろう。インテリアデザインでは、エーロ・アールニオの「球の一部を切り取ったグローブ・チェア」、ジョー・コロンボの「中空の大小のパイプを4本つないだチューブ・チェア」がスペースエイジを代表する作品だろう。ちなみにこれらの家具は、どこかマーク・ニューソンのテイストを思い出させる。宇宙好きのマークのことだ。彼のデザイン・データベースに「スペースエイジ」もインプットされているにちがいない。
Globe Chair
































マーク・ニューソン:オーストラリア、シドニー出身。シドニーアートカレッジでジュエリーと彫刻を学ぶ。
1987年から1991年まで東京を拠点に活動。
1898IDEEの依頼により「Embryo Chair」製作。(エンブリオの意味は「胎児」)
1991年パリにスタジオを開設、フロスの懐中電灯、カッペリーニやモロソ、B&Bなどの家具をデザイン。
1997年から拠点をロンドンに移しマーク・ニューソン社を設立。
1999年東京モーターショーでフォード社(ford)のコンセプトカー「021C」発表。
2000年シドニーオリンピックではオペラハウスのライトアップを担当。
その他、東京やニューヨークなどのレストランやブティック、レコーディングスタジオの内装、航空機、腕時計などなどをデザイン。

1 件のコメント:

  1. このボリューム感はすごい。
    >マークはボリューム感をとても大事にしているように見える。
    >ジュエリーのデザインは小さな貴金属にボリュームを出すことに苦心するから
    こういわれるとすごくジュエリーデザインがおもしろい物に見えてきました!

    時代とか経験とかいろんな物がデザインに反映されるんですね。
    豊かになりすぎた僕たちの世代のデザインには
    どんなものが反映されるんでしょうね。

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