2011年1月13日木曜日

「野菜男」野菜を素材にして、人体彫刻を作り上げている。すべての素材は野菜なのだが、やっぱり人間に見えてしまう。

「僕は森を育てるように、アイデアを育てている」というのは、フランスのコンテンポラリーアーテイストのファブリス・イベール。彼は、1997年のベネチア・ビエンナーレで、フランス館をテレビ局の収録スタジオに変身させ、実際にテレビ番組を放送するという思いもよらない発想で、最年少で金獅子賞を受賞した。
カリフラワーで出来た頭にレモンの目、ピーマンとバナナの腰、足はキューリという愉快な野菜男。この作品を造ったのは、革新的なコンセプトと新鮮な表現で今やフランスを代表する芸術家、ファブリス・イベールです。合言葉は「たねを育てる」。たねとはアート作品がつくられるための思想や行動のメタファーです。また、大地の力に育まれて大きくなっていく実際の野菜や木々の素(もと)という意味もあります。すべての素材は野菜なのだが、やっぱり人間に見えてしまう。スケッチもなかなか素敵だ。

数年前フランスの田舎、ヴェンデというところに森を造ろうと思い立った。一体どうしてそんなことを考えたのか思い出してみると、僕がアートでこれまでやってきたことと、同じことをやろうとしていたのに気が付いたんだ。アートは思考のたねから生まれる、森も大地の素から創りだされる。どちらも頭をもっともっと柔らかくしてくれて、僕に新しい行動を起こさせる。僕はこの展覧会の中で、アイデアの森のことや時代を飛び超えた巨大な木のドローイングをたくさん描くつもりです。ビデオを使って、農業のこと、僕の考える思考のたねのことについても話したいと思う。(ファブリス・イベールの語り)
2008年にワタリウム美術館で行われた「ファブリス・イベールの、"たねを育てる展"」


0 件のコメント:

コメントを投稿