2010年11月19日金曜日

2010年度のグッドデザイン大賞はダイソンの「羽根が無いのに風が出る扇風機」


2010年度のグッドデザイン大賞はダイソンのエアマルチプライアー「羽根が無いのに風が出る扇風機」だ。同社の「Dyson Air Multiplier」は従来の扇風機とは違って羽根がなく、土台に輪を乗せたような形になっている。従来の扇風機は、羽根が空気を切ってしまい、空気の流れが不均衡になる点が問題だった。Dyson の技術はジェット飛行機の設計などで使われる流体力学を利用した独自の技術で空気の流れを15 倍に増幅し、毎秒119 ガロンの空気をスムーズに流すという。


























審査員のコメント
まず第一に、世界一安全な扇風機を開発したこと.毎年、世界中で扇風機に幼児が指を入れたりして事故が発生している。この扇風機では、まずその安全性を評価したい。羽根がないことにより、掃除が簡単であったり重心バランスが下部にあることで、安定性も抜群である。ある意味、扇風機の「革命」ともいえる大胆で斬新な発想は、現代のエンジニアやデザイナーに刺激を与えてくれている。

久しぶりにイノベーションと言える製品が登場した。トイレでよくある「ハンドドライヤー」の技術から思いつき製品化に至ったと聞く。ただし、はじめから扇風機ありきではなく、その風圧を何か製品に利用したいと考えた末に誕生した製品が扇風機だったと聞いた。この製品は「2010年度のグッドデザイン大賞」は文句のないところだろう。今年のグッドデザイン賞は、AKB48のグッドデザイン金賞受賞などで、Twitterでも異論反論が続出したが、デザイン業界だけでなく、一般のメディアにも「グッドデザイン」が多数取り上げられたことを考えると、アンディ・ウォーホルが言った「Any publicity is good pablicity」の事例に嵌る、良い結果となったのではないだろうか。

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