2016年1月6日水曜日

サッパーのデザインした象徴的な「シンギング・ホイッスル・ケトル」は現存する最もユニークなやかんだ。しかし「時代の欲望とデザイン」は強く相関しているので、いまこのケトルが登場しても違和感を持たれるだろう。























アルベルト・アレッシィが解説するリチャード・サッパーのデザインした象徴的なシンギング・ホイッスル・ケトル(9091 harmonic whistling kettle)の映像は、その背後にある興味深い物語を伝えている。 このやかんで水が沸騰するときにハーモニーが生成される。ドイツの楽器職人に造らせた音階ミ・シが鳴る構造だ。
Richard Sapper "wanted to design a multi-sensorial kettle" for Alessi from Dezeen on Vimeo.
アレッシは、エク セレント・デザイン・カンパニーと言われるが、アレッシには「セレブリティ」の概念が中核にある。1983 年のリチャード・サッパーの「シンギング・ホイッスル・ケトル」は、湯沸きの異常音を嫌ったサッパーは、口に船の汽笛を奏でる楽器を付けた。






















素晴らしいポストモダンデザインの典型と言える。1980 年代は、セレブリティ・ビジネスは隆盛を極めた。アレッシのケトルはその典型例だろう。しかし、「時代の欲望とデザイン」は強く相関しているので、いまこのケトルが登場しても違和感を持たれるだろう。

*ポストモダン(英: Postmodern)とは、「モダニズム(近代主義)がその成立の条件を失った(と思われた)時代のこと。 ポストモダニズム (Postmodernism) とは、そのような時代を背景として成立した、モダニズムを批判する文化上の運動のこと。

*1932年にドイツ・ミュンヘンに生まれ、ミュンヘン大学で機械工学を学んだ後にダイムラー・ベンツ社のデザイン部に勤務しベンツ社ではバックミラーのデザインをしていた。


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