2012年2月5日日曜日

バタフライ・スツールのデザインで有名な柳宗理さんが昨年末に亡くなった。

追悼の文章として”手で作り込む「人間のかたち」”というタイトルで深澤直人さんが素敵な文章を書いている。「柳さんは手でデザインしたデザイナー。頭で考えるより手が先に考えデザインした。」と書いている。確かバタフライ・スツールは、塩化ビニールの板を熱で曲げて模型を作り。模型の完成後に図面を描いたという文章を読んだ記憶がある。あの形はスケッチを描くのも難しいが、手で作っていくうちに偶然生まれたと考えると合点がいく。
























またアノニマス(匿名的)・デザインといえば柳宗理さん抜きには語れない。工芸から工業に時代が移り変わる頃に登場した柳さんならではのデザインの方法だったのだろう。余計なモノを排したミニマムさが美しいという「用の美」というデザインの追求を長年続けてこられた。

僕の友人でビームスの南雲浩二郎さんも、大の柳ファンで、ショップを通じ「柳プロダクト」を多くの若い人たちに紹介した。彼は、柳プロダクトを「タイムレスで、陳腐化しないモダンデザイン」と言う。実際、長く生産され売られているものも多いし、復刻版として再発売される製品もある。






















1954年の作品、エレファント・スツール(象脚)は、イギリスの家具ブランド、ハビタから「リビング・レジェンド・プロジェクト」(20世紀の伝説シリーズ)の一環として復刻販売された。デザインディレクターだったトム・ディクソンが柳さんを訪れ、復刻する了解を得て実現させたという。トムは、アンチユース・カルチャー、つまり「ベテランの底力」を見せたかったことがこのプロジェクトの始まりと語る。

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