2020年6月28日日曜日

現在の社会経済環境がきわめて予測困難な状況に直面しているという時代認識を表す言葉「VUCA」

 昨日の福田淳さんとの対談を終えて、キーワードなどを資料として作成した。

最近のウィズ・コロナ渦中の議論の中に必ず使われる言葉に「VUCA」がある。「VUCA」とは、Volatility(変動)ボランタリティー、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)の頭文字をつなぎ合わせた造語で、これら四つの要因で、現在の社会経済環境がきわめて予測困難な状況に直面しているという時代認識を表す言葉だ。私の顧客の企業は、どのように予算を立ているのだろうか?このように変動し、不確実で、複雑で曖昧な2020年の社会経済環境を見て改めて未来予測の不可能な時代に突入したことは確信できる。「つまり一寸先は闇」ですね。

一方で安宅和人(慶應SFC/ヤフーCSO/シン・ニホン著書)さんが好きな名言 シン・ゴジラの映画の中で赤坂官房長官の言葉「スクラップアンドビルドでこの国はのし上がってきた。今度も立ち直れる」































ウィズ・コロナへの産業ストレス耐性(収益耐性指数)が高いのは、生活必需品を取り揃えるニトリHDやセブン&アイHDなど。ドラッグストア各社のストレス耐性の高さも目立つ。かたや、ストレス耐性が高いと言えないのは、外食、百貨店、アパレル等だ。また最もストレス耐性が弱いのは航空、タクシー、旅行だろう。

ビジネスの現場においても、COVID-19はリモートワークも含むDX(デジタルトランスフォーメイション)を急速に企業は促進し始めた。今後5GやAIやロボット・宇宙などテクノロジーの進歩は急速であり予測は困難、世界の市場は不確実性や不透明性を増した状況となっている。「生きる力」(文部化科学省)など、日本政府においてもVUCAな時代に適応し、自らを柔軟に変えながら人間性やスキルを高めていくことに注力している。そういった時代背景の中で注目されているのが「自己認識力(セルフアウェアネス)」だ。

ダニエル・ゴールマンは、EI(感情的知性)の第一の要因として、セルフ・アウェアネスを挙げる。スタンフォード大学経営大学院の調査でも、リーダーが伸ばすべき最大の能力の筆頭に挙げられた。優れたリーダーは、自分を形づくってきたものをよく知っている。

V 今見られるVolatility(変動性)ではSNS市場を取り巻く変動性があげられる。「mixi」をはじめ、現在では「Facebook」や「Twitter」、「Instagram」、「TikTok」、さらには日本のコミュニケーションを革新させた「LINE」など、数多くのSNSが登場した。わずか15年余りでSNSの市場は大きな変化を遂げている。















このようなSNSは巨大な顧客を持つプラットフォーマーとして君臨し、金融業や広告業など幅広い事業を展開している。ところが未だにSNSをやらない人たちがいる。こういう人たちとは非常に仕事がやりにくい。かつSNSで大半の情報を取るクラスターとオールドメディアで情報を取るクラスターは、まるでそれぞれが別の世界に住んでいるようなものだ。世界共通の変動性は2つのデジタルリテラシーギャップを生み出した。














U Uncertainty(不確実性)現代を取り巻く世界情勢はますます予断を許さない状況となっており緊張を増している。テクノロジーの発展により、グローバル化が実現し、自由貿易が全世界に恩恵をもたらしている一方で、国同士の利害関係に起因する葛藤や争いが続き、保護主義に向かう国が登場しており、世界経済にさまざまな悪影響も与えている。

2016年6月に起きたイギリスのEU離脱問題や、アメリカ合衆国の極端な保護主義政策、香港で起きている安全保障問題などによりカントリーリスクが顕在化し、世界中の株価市場・為替市場は乱高下する事態をもたらしている。不確実性は予測不可能な疫病や政治や気候により、未来がどうなるか予測することが極めて困難だ。















C Complexity(複雑性)既存の枠組みを超えた事業が増えつつある中、個人や組織のビジネス課題や業務は高度化・複雑化しています。また、かつてのイノベーションとは異なる、オープンイノベーションやリバース・イノベーションといった新たな概念への注目が高まっている。学ばなければいけないことが多すぎる。イノベーションとグローバル化が示す複雑性は増すばかりだ。

日本の市場に大きく影響を与えたイノベーションとしては、米ウーバー・テクノロジーズ社が運営する自動車配車サービス「Uber」や、米Airbnb, Incによる一般人が空き部屋を宿泊施設・民宿として貸し出す「Airbnb」があげられる。しかし、こうした画期的なイノベーション・サービスに現行の法整備が追いついておらず、さまざまな課題が発生している。













また、日本では法整備によりイノベーション・サービスのメリットを阻害する事態(民泊事業では年間180日までの上限規制)にもなり、国や法の違いが新たなビジネスモデルの浸透を妨げている。  この国は変わりたくない人が多すぎる。

A Ambiguity(曖昧性)世界中でプロダクトライフサイクルの短縮化や経営を取り巻く環境の変化が起きている。そのため、長期的な予測だけでなく、短期的な予測も難しくなりつつある。曖昧性を包括しながら進むベンチャーキャピタルは、日本でも一般的に認知されるようになり、大企業がベンチャー企業に投資する取り組みも始まっている。























トヨタ自動車株式会社が立ち上げたトヨタグループ株式ファンドは、人工知能、ロボティクス、燃料電池技術を開発するスタートアップを中心に投資、売上高1兆円を超える住友林業株式会社は、当時社員数がわずか20名だった建設事業者のプラットフォーム事業を運営する株式会社ローカルワークスと協業するなど、現在の日本は第4次ベンチャーブームと呼ばれている。現代社会では、曖昧性の高い案件に対して短時間で意思決定を行っていく必要に迫られている。

• 予測できるという傲慢さ (predictive hubris) を捨てる
• 組織的な適合性 (organic adaptability) を高める
• 共有化された意識と権限委譲による実行(shared consciousness & empowered execution)
未来は予測できず、適応することしかできない、そのために現実に適応する力を高める必要性があります。
https://bizhint.jp/keyword/40037 を参照要約








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