2020年5月9日土曜日

今日は書籍「好奇心とイノベーション」の序文の後半をご紹介します。巣ごもり需要の風に乗ったのか?Kindle版はベストセラー1位になってました。

書籍版は相変わらず、Amazonでは、すぐに在庫切れで正確な数字が取れませんが今日は在庫は正常化しています。

序文の後半
ダイソンが、わずか 日間でゼロから人工呼吸器「CoVent」を設計し、イギリス政府から 万台を受注しました。ランボルギーニは 月 日、新型コロナウイルスと戦う医療従事者向けに、マスクの生産を開始しました。フォードやGM、トヨタ、テスラも人工呼吸器の生産に乗り出しています。いずれ世界中の国や大企業、医者や製薬メーカーが力を合わせ新型コロナウイルスに打ち勝つはずです。

我々の住むこの世界は過去にも何度も気候変動や疫病で変化し、それらに対応してきま した。新型コロナウイルス出現以前と以降(アフター・コロナ)では、社会が激変し「い わゆる普通の生活」には戻らないかもしれません。

しかし、この本を手に取った皆さんなら、きっと「新しい世界」に適応し、たくましく生き抜けるはずです。
撮影 井上広一(ORYL)


















常識に疑問を突きつけるフロントランナーと未来社会について考える

僕が多感な時期を過ごした 年代のアメリカも、違った意味(人種差別の解決)で激変 の時期でした。アフリカ系アメリカ人差別廃止運動(公民権運動)で社会の分裂が鮮明に なり、様々な価値観の胎動が顕著になっていました。社会運動(労働運動、学生運動)の 激化、ヒッピーの台頭、アングラ文化。それまでのあらゆることが見直され、エネルギー に満ちあふれていました。

それに対して、今進行中の大変化は、情報テクノロジーの目覚ましい発展(デジタル変革)がすべての背景にあります。それに新型コロナウイルスとの戦いが加わりました。

ペーパーレスからキャッシュレスへと連なり、社会のボーダレス化へ。世の中のあらゆる場面はモニタリングされ、反面、個人情報がかつてないほど重視されています。中国の新型コロナウイルスの早い収束は、膨大な個人情報のログを取得できる監視カメラやデジタルマネーのトレーサビリティーがあったからという人もいます。












企業の中でも年功序列が崩壊しつつあり、成果はデータ化され、いわゆる能力主義に変わりつつあります。ワークシェアリングや、リモートワークなどの働き方改革は、期せずして新型コロナウイルスによって急速に広がりました。

変革によって「なくなるもの」もたくさんあります。キャッシュレス化による「現金」、 AI テクノロジーの用途開発進展による「事務」、テレワーク導入による「オフィス」、 自動運転技術による「ドライバー」......。その果てにあるのは、旧来の国家概念(統治、 国土、国境、国民)の消失かもしれません。

そんな未来社会を迎えようとしている我々は、その変容の波にただ翻弄されるわけには いきません。現在進行中のウイルス対策封鎖による無人の街を、いずれ以前とは違った、 しかし活気に満ちあふれる未来社会を実現につなげましょう。

そのためのアイデアは、私の対談の中に、現代の賢人とでも言うべき人たちの言葉として無数にちりばめられています。この対談は、世間の常識に疑問を突きつけ、新たなプロ トタイプをつくってきたフロントランナーたちと、未来社会がもたらすものについて語 りったものです。従来の慣習を覆す暮らし方や働き方、教育、産業のあり方など、変化に 適応する新しい価値観に触れることができます。皆さんの「好奇心とイノベーション」の 参考になれば幸いです。


坂井直樹



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