2011年5月5日木曜日

ホラー映画のセットか、ハウルの動く城のように見えるバッドデザインのアルハンゲリスクの13階建てタワー


今日は、書籍「デザインの深読み」で取り上げた、バッドデザイン(エットーレ・ソットサスが「グッド・テイスト」というブルジョワ的な価値観に抵抗し、アンチ・デザインを宣言していた。http://bit.ly/fqhwez )の典型的な建築。いわゆるゲテモノの類に時折惹かれる。場所はロシアの北西部にある街で、北ドヴィナ川の河口近くに位置する港町だ。その昔、ロシアの主要な輸出品であった木材の積み出し港として栄えたそうだ。13階建ての木造タワーは、その時代からあった名物、というわけではない。なんと、Nikolai Sutyaginという実業家が1992年から自宅を増築して作ってしまったものだ。本人いわく「市内のホテルは、私の顧客や関係者を泊らせるのには快適ではない」というのが主な理由。
左が写真、右が日塔なつ美さんが描いたイラスト
























ところが、泊まる人は、あまりにも危ないので、ウォッカを飲んだ後の肝試しぐらいしかタワーの上には上らないそうだ。ただ、他に高い建物がないので、眺めは抜群。ご近所からの苦情や市当局からの指導などを乗り切って、今ではテレビに映ったことがきっかけで保存されることになった。もちろん免震、耐震構造はない。

どことなくホラー映画のセットか、ハウルの動く城。あるいはディズニーランドのアトラクションのように見えるし、マッチ棒で作った模型のようにも見える。しかし、風雨にさらされた質感や、決して奇麗に作られれているわけではないので、想像力を掻き立てる異様な雰囲気を持っている。ちなみに、世界一高い木造家屋としてギネスにも登録されている。
http://bit.ly/eSJEGp  

デザインの深読み [単行本坂井 直樹 (), 日塔 なつ美(イラスト)



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