2014年3月13日木曜日

“Powers of Ten”1968年CGのない時代、公園に寝そべる男女からカメラが上空へパンして宇宙へとスケールが十の累乗で拡大して行き、今度は急速に戻って細胞の中まで入っていく約9分の“垂直の旅”


大昔日テレの大橋巨泉司会の11PMで、イマジネイティブな映像に感激したのを微かに覚えていた“Powers of Ten”は1968年に作られた教育映画の名前だ。家具デザインで有名なチャールズ・イームズとその妻レイによって脚本が書かれ監督されたのは案外知られていない。

















タイトルのPowersとは「力」の意味ではなく「べき乗」という意味。「10のべき乗(10n)」という意味だ。9分と長いのですが、最後まで見てください。かなり面白です。宇宙からミクロの世界まで垂直に描いています。
[モノクロバージョン(日本語付き)]

公園に寝転がっているピクニック中の男性の姿を真上からとらえている映像から始まる。正方形にトリミングされた映像は縦・横が1m×1m。10秒かけてカメラが上空へ上がっていき、その範囲は10m×10m。次には10秒かけカメラはさらに上空から100m×100mの範囲をとらえる。このようにしてその範囲を拡大していき、ついには宇宙の果てにいく。[カラーバージョン(英語)]

今度は1分で元の1m×1mの世界へ戻り、カメラが人物に寄っていく。10秒かけて0.1m(10cm)×0.1mの世界へ(映像では手の甲がアップになる)。さらにどんどんミクロの世界へ突入していき、最終的には陽子や中性子の世界にまで入っていく。















まだCGが存在しない時代、IBMから資金を受け実写からアニメーションへの滑らかな移行技術は当時見るものを驚かせた。世の中にGoogle Earthなどありません。そんな中で、10という数字の不思議さを高度で演出した、非常に歴史的価値の高い映像作品。

http://ja.wikipedia.org/wiki/Powers_of_Ten





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