2013年9月11日水曜日

「x-DESIGN」の著者による連載最終回である第五弾は坂井直樹と田中浩也准教授による対談。


「x-DESIGN」の著者による連載最終回である第五弾は坂井直樹と田中浩也准教授による対談。日本だけでなく、世界に衝撃を与えるものづくりをしてきた坂井直樹と、そもそもものづくり自体に革命を引き起こそうとする田中浩也。ものづくりに深く携わっている二人にとって、デザインはどんな意味を持つのか。
1969年当時のSanFrancisco























●グッドデザインとバッドデザイン

田中浩也:私はFabLabやパーソナルファブリケーションと呼ばれる、「ものづくりを人々の手に取り戻そう」という活動をしていますが、パーソナルファブリケーションの思想的な源流のひとつは、スチュアート・ブランドの制作した『ホールアースカタログ』にあると言われています。

『ホールアースカタログ』はヒッピー向けの雑誌でしたが、坂井さんはちょうどそれがアメリカで発行された頃に、実際に現地にいらっしゃったかと思います。当時はどんな状況だったのでしょうか。

坂井直樹:僕がアメリカに行ったのは60年代のことでしたが、当時はゲイレボリューション、ブラックパワーといった、マイノリティを解放しようと、若者たちによる、僕たちが社会を変えるんだみたいな活動が盛んで、世の中が本当に変わるんだと思いましたね。

当時、僕は京都で出会ったヒッピーの知り合いを訪ねてヒッピーたちが集まっていたサンフランシスコに行ったんです。もともと僕は日本では京都芸大に通っていたんだけれど、当時の京都は今とは全然雰囲気が違って、いわゆる反体制の外国人がたくさんいたんですよ。

その中にはヒッピーたちもいて、彼らと交流しているうちに、「バッドデザイン」にすっかりはまってしまったんです。おかげで、大学で教えられているような「グッドデザイン」やメインストリームのデザインには全く馴染めずに、一年半で大学を辞めてしまった。

 『x-DESIGN / 未来をプロトタイピングするために』から

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