2010年12月25日土曜日

YouTubeにあがってたストップモーション、『オオカミはブタを食べようと思った。』が多くの工夫があって、とても良い。

作品は、コマ撮り撮影で制作されている。実写の人物や風景などの写真を素材としたものは、「ピクシレーション」と言われる。『オオカミはブタを食べようと思った。』が凝っているのは、屋外で撮影したものを、さらにプリントアウトして屋内でそれらを撮影して素材にしている点だ。公開後から反響を呼び、ニューヨークタイムズのブログで紹介されるなど、瞬く間に全世界で話題となった。そして今もなお再生数が伸び続け、再生回数は300万回を超えたのも当然か。

オオカミとブタ。Stop motion with wolf and pig.

『オオカミはブタを食べようと思った。』が良い点はいくつもある。ストップモーション用の写真を撮って、さらにそれをストップモーションで見せている点。2重の手間だが、この作業がものすごい効果を発揮している。まず、背景を流して、その上にキャラクターを走らせることで、カット割り無しで展開を分かりやすくしている。そして、背景の写真を貼った上にオオカミとブタを走らせる。これで背景、オオカミ、ブタを同じフレームに納めずに別撮りできるし、カット割りをすることなく、展開を見せられる。

次に、3次元方向に写真を貼付けることで、空間演出を可能にしている。エレベータの脇に階段があるように見せている写真は、写真を直角方向に貼付けることで、エレベータと階段の位置関係を見せて面白くしている。また、プールを泳ぐシーンは圧巻で日常のキッチンのシンクを泳がせている。アイディアだけで、面白いものがいくらでもできそうな、素晴らしい発想。最後には、きっちりオチもつき、ドラマとしてのまとまりもある。

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