時々昔話、僕の最初のデザイン作品は、京都美大に在籍中に作った刺青Tシャツでした。なぜ刺青かといいますと、この時代は、世界中でヒッピーのカウンター・カルチャー、反体制などの社会の変革の風が京都にも吹いていました。そんな時代の中ではお行儀の良いグッドデザインなんかは全く興味が持てなかったんです。
またデザイン界では、ソットサスが、いい趣味というブルジョワ的なモダニズム(グッドデザイン)に逆い反デザイン(バッドデザイン)を宣言していたんです。70年に発刊された「ドムス」にソットサスが書いた面白い記事があります。「モノをデザインするときに、人が何かに気づき、自分を解放する助けにならなければならない、そして人に内なるときめきを感じさせる機能をものに与えることだけを考えなければならない。」
やはり僕にとっては、その「うちなるときめき=エモーション」はアウトローが肉体に描いている刺青をファッションに置き換えることだったわけです。60年代のRRという木村英輝さんが起こしたクリエイティブ・スタジオは、小松左京や、皆川魔鬼子(テキスタイル・デザイナー)、ちだうい(作家)、などのクリエイターが自由に集まり、いつも熱気を持っており、お互いに影響(シナジー)を与えながら時代を作っていました。今考えるとRRは一種の孵化器(インキュベーター)だったわけです。
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