佐渡に住む一人の女の子の一年間を撮りおろしただけの写真集。見ているだけで跳ねだすような姿、鼻たらした泣き顔、明るい笑顔、ハッとするほど大人っぽいすました顔、どの一枚を切りとっても、精神が解放され愛おしい。ただ可愛いだけの写真ではないが、見た人が間違いなく元気をもらえます。草むらを後ろを顧みず前を向いてぐんぐんと歩いている勢いある1枚が最高。祖父江慎さんの装丁による、写真そのままを本にしたような造本も魅力的な一冊。美しく懐かしい佐渡のレトロな風景と、生命力に満ち溢れたこの女の子の魅力を、写真家、川島小鳥さんが撮影した。最初たった500冊限定で発売された写真集は完売、何箇所かで開催された写真展も大好評だったようだ。一目見たら忘れない「未来ちゃん」。 この心配しない未来の存在感に励まされます。すごいね。
そういえば宮崎アニメの主人公は大概少女だ。「となりのトトロ」のメイ「もののけ姫」のサン「風の谷のナウシカ」のナウシカ「千と千尋」の千尋「魔女の宅急便」のキキ等々。そのような意味でも、宮崎監督は、ナイーブな少年よりも「未来ちゃん」のような生命力溢れる元気な女の子の方を好んで主人公にしてきたのだろう。
写真家:川島小鳥(かわしま・ことり)写真家。1980年、東京都出身。早稲田大学第一文学部仏文科卒業、沼田元氣氏に師事。2011年、写真集『未来ちゃん』(ナナロク社)刊行と同時に『BABY BABY』(学研)を復刊。
wikipedia:未来は、これから来る時や時代を指す語である。「過去」と対義、「未来」の語には「これから来るべき新時代は現在より良くなっている」という希望的観測が感じられ「瑞祥語」として使用される。また、この先に何が待っているかは全く分からないという、不安に近いニュアンスも併せ持っている。
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