2011年2月1日火曜日

「フローティング・コンパス」は、磁化させた小さな針を抱える紙の「アメンボ・ロボット」だ。


なぜか昆虫好きとロボット好きは、だいたい被るようだ。この「フローティング・コンパス」は、磁化させた小さな針を抱える紙の「アメンボ・ロボット」だ。地磁気に反応して、ゆっくりと回り始め、やがて北を向いたところで止まる。アクチュエーターは磁化させた針一本だけ、地球の磁力のみで動く。このシンプルさミニマムさが、たまらなく好きだ。




























微少な世界では、水面は、必ずしも壊れやすいものではない。アメンボのように軽くて小さな存在は,触れるどころか、上に乗せることさえ出来てしまう。アメンボの体重を支えるのは、水分子の弱い結合力が水面に復元力を持たせているからである。つまり科学者と芸術家である山中俊治さんは表面張力という物理までもデザインのモチーフにしたということだ。

この素材は便箋紙(ギルテック)という紙に、撥水性のフッ素系樹脂を塗布して使用している。この作品は、はじめから紙を切りながらデザインをしたためスケッチはないそうだ。2004年にTAKEO PAPER SHOWで発表された。以上文章は山中俊治さんが自費出版された「Projections of Function」からの要約だ、山中さんは文章もデザインに劣らず流麗で、書き直しは極力さけた。
























このあめんぼうの動画も水面の波紋がなかなか良い。

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