2011年7月30日土曜日

あなたは『コクリコ坂から』を、どう見ましたか?

『コクリコ坂から』を見た。映画の時代は1963年、全共闘(1965年から)前夜で僕は高校二年生だった。当然映画の背景になった時代は明確に記憶しており、映画のあらゆるところに埋め込まれた「時代のスイッチ」にひっかかり不覚にも青春が甦った。

この時代を知っているだけに、正直この映画をどう見れば良いのか?かえって解らなくなり「Youtubeの宮崎駿さんのコメント」を聞いて見た。現代の若者への痛烈な忠告が興味深い。「1965年東京オリンピック以降若者は夢を持たなくなった」「働いてないのに就活がゴールと考えているのは滑稽」「経済至上主義」「リスクのない人生願望」「安定した人生願望」「足元しか見ていない視野の狭さ」

とキーワードを並べ、若者を正面から批判する優しい頑固親父ぶりが良いね。気がついたら僕も似たようなシニカルな意見を学生に日常的に発言している。たぶん届いてないと思うけれど、、、ともあれ、若い人がどう見るのか?

冷泉彰彦さんの「60年代回帰願望」ニューズウィーク日本版も読んで見ると良い。  http://htn.to/FTD7Gg
今回の『コクリコ坂から』は、そうした「世代間の想いのすれ違い」という危険を十分に覚悟しながら、それを抑制された表現で救済することに成功していると思います。そうした思想的な自制、抑制そのものも、セリフやストーリー展開などの「ベタ」な表現ではなく、映像面での抑制やバランス感覚によって実現しているわけで、そこにアニメ表現の成熟を見る思いがしました。冷泉彰彦

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