2016年3月6日日曜日

ヘッドマウントディスプレーにウエアラブル端末、拡張現実感、3Dプリンター。これら最先端の技術を駆使し、近未来の手術を先取りしているのが、神戸大学の杉本真樹氏のグループだ。プロダクトデザインと医療が密接に結びついた。
















SXSWの予習会で近未来の手術を見た。杉本真樹さんのウエアラブルや3Dプリンターを駆使した手術のプレゼンテーション「3D拡張現実と生体質感3Dプリンティングによる直感的手術支援」だ。医療における三次元画像解析と、工業におけるラピッドプロトタイピング技術の融合によって、医療に革新的なシナジー効果を生み出す。

直観的な操作を可能にする各種のユーザーインターフェース。手術中の操作性に配慮し、タッチパネルやジェスチャー操作機能を積極活用している。そしてHMDやウエアラブル端末、ホログラム、AR、プロジェクションマッピングなど多彩な技術を駆使。












内視鏡手術支援ロボット「ダビンチ」を用いた手術に、仮想現実(VR)用HMD「Oculus Rift」を併用した。没入感を得られる代わりに術者が頭部を動かせないダビンチの限界を克服し、頭を自由に動かしながら「患者のお腹の中にいるかのような術野が得られる」

没入型ホログラフィック3D表示システムも導入。臓器画像などが空中に浮いたかのように見える「拡張ホログラフィー」で手術を支援する。「zView」と呼ぶ仮想ホログラムシステムとの組み合わせを、世界で初めて手術支援に活用した。













出血まで再現する臓器モデルは、患者ごとの臓器立体モデルを3Dプリンターで作製し、画像情報と組み合わせて、手術のパフォーマンスを高める。ここでは「Bio-Texture Modeling」と呼ぶ、臓器の形状だけでなく質感までを再現できる3次元モデルを使う。
ファソテック患部可視化モデル(肝臓がん)

















さらに、メスを入れた際の“出血”までも再現できる臓器モデル「BIOTEXTURE WET Model」を作製し、肝臓の部分切除術のシミュレーションなどに利用している。

生体質感造形Bio-Texture Modelingとは、まず患者のCTを基にしてMac用のオープンソースのフリーソフトウェアOsiriXで三次元のデータを作る。そして三次元データをパソコン上で表面データに書き換え、それを3Dプリンターに送信するとそのデータ通りに16ミクロンの精度で複素材の樹脂を噴射し積層造形できる。



























特に硬さや柔らかさなどの生体の質感を再現できるのが特徴。人体の各部位(骨・臓器など)の質感(可視化・感触・硬さ・柔らかさなど)を持った精密な3次元医療生体モデル。さらにBio-Texture Modelingで製作されたモデルは切る・削ることができる。
http://techon.nikkeibp.co.jp/






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