2010年10月26日火曜日

フセイン・チャラヤンは、1994年のデビュー以来、ファッションとメディア・アートの二つの領域を横断的に活動するユニークなクリエイター


Transformer Fashion Show

動画は、モデルは何もしていないのにドレスが形状を勝手に変化させる。ロボット工学的な仕掛けが面白い。また一方で、普通の長さのドレスが、どんどん上に上がってゆき最後は帽子の中に引き上げられモデルはついにヌードになる。その後ヌードになったモデルを中心にフィナーレで出演したモデルが全員出てくる。良く計画通り動作するモノだ。そのメカニックの完成度もかなりのレベルだ。坂井研のコムデギャルソンが好きなオシャレな学生から「ファッションとメディア・アートの融合」という意味で僕のやっていることと共通点が多い。と言われて今年の春「フセイン・チャラヤン」の展覧会を見てきた。

東京都現代美術館ーフセイン・チャラヤン「ファッションにはじまり、そしてファッションへ戻る旅」
http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/113/
hussein chalayan
http://www.husseinchalayan.com/#/home/

フセイン・チャラヤンは、1994年のデビュー以来、ファッションとメディア・アートの二つの領域を横断的に活動するユニークなクリエイターとして、大きな影響を与えてきた。一つ一つのコレクションに込められる、現代社会に対する文明史観的な批評性や魅力的な物語性、LEDやレーザー光線など最先端のテクノロジーを駆使した革新的なデザインは、英国ファッション・アワードの「デザイナー・オブ・ザ・イヤー」を2年連続で受賞するなど、国際的に高く評価されています。

























チャラヤンの表現は、従来のファッションという枠にはとどまらず、アート、建築、デザイン、哲学、人類学、科学といった複数の領域を横断して展開します。その根底にはあるのは、私たちを取り巻く環境への批評的眼差しだろう。とりわけ、テクノロジーや移動、文化的環境によって、身体およびアイデンティティがどのように変容するのかを服を通して探究してきた。こうしたテーマは、南北に分裂したキプロスの国境地帯で生まれ育った彼にとって、きわめて現実的な問題だったといえる。

















また、グローバル化時代に生きる我々が共有する今日的な問題ともいえる。分断されてしまった土地に住む恋人に、自分が着た紙のドレスに手紙を書き、送れるようにしたエアメール・ドレス、バーチャルとリアルな肉体の狭間でゆれる私たちのリアリティを反映した映像が移ろうLEDドレスなど、それは今日的な問題を反映しながらロマンティックな想像力の輝きに満ちている。

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