2011年2月9日水曜日

ルイ・ヴィトンのブランディングには「守破離」がある。ブランドを守り、破り、そして離れる。


このルイ・ヴィトンのブランディングを見ていて、いきなり「守破離」という言葉を思い出した。ルイ・ヴィトンというブランドの型を「守」り、創造性や工夫を発揮して「破」り、自由自在にルイ・ヴィトンを演じ「離」れる。それでいてブランドの本格を一歩もはずさない。伝統とアヴァンギャルドが常に同居することでブランドは古びない。世阿弥の『花鏡』では、種が守、花が破、実が離にあたる。

江戸千家の川上不白の「守破離」、不白は『不白筆記』『茶道訓』なども遺していて、その『不白筆記』に「守破離」を説いて、こうある。「守ハマモル、破ハヤブル、離ハはなると申し候。弟子ニ教ルは守と申す所なり。弟子守ヲ習盡し能成候ヘバ自然と自身よりヤブル。これ上手の段なり。さて、守るにても片輪、破るにても片輪、この二つを離れて名人なり。前の二つを合して離れて、しかも二つを守ることなり」。

入門してしばらくの「守」は、教えられた型を徹底して学ばなければならない。まず守る。芸ではこれを身に付けるという。ここでは教えが必要である。「破」はその身に付いた型をつかって、身をはたらかせる。創造性や工夫を発揮するのはこの「破」の段階である。作用をおぼえる。これらに対して「離」は自由自在に身を演じるところ、それでいて芸の本格を一歩もはずさないことをいう。そこを茶と禅と剣を合せていた不白は「入神の芸境」と言った。とくに「家」を離れて「間」に遊ぶのが「離」なのである。



2011年2月8日火曜日

スポーツブランドの広告が益々クリエイティブ志向になっている。ダンスする女の子がアニメとなって高層ビルが立ち並ぶ街中で巨大メカロボットと戦うNike chaseの動画もその典型。



最近スポーツブランドの広告が益々クリエイティブ志向になっている。そんな一例として、Nike chaseの動画。エージェンシーは「GAPiPad向けのアプリ」も作ったAKQA San Franciscoだ。NIKEが「Sister One」のプロモーションとして、サウスイーストの女性向けにアニメCMを展開。ダンスする女の子がアニメーションとなって、日本をイメージした高層ビルが立ち並ぶ街中で、巨大メカロボットと戦う。曲がVitalic / Repair Machinesというのも良い感じ。
NIKE ZOOM FLY SISTER ONE+とは:ヨガ、ダンス、ストレッチ、筋トレ。スポーツ好きなら、ジムなどでのトレーニングを習慣にしている人は多いはず。でも、実はあまり知られていないのが、どんなジューズを履くかで効果が変わってくる。そこでNIKEが、スポーツでひとつ上のレベルを目指すために開発したのが、トレーニング効果を最大化するシューズ。 



























(via i love dust)
Nike chase
Nike chase from ilovedust on Vimeo.


Originally created as part of a campaign for Nike Japan with AKQA San Francisco, this is our director's cut of the ad.
Directed and produced by ilovedust
Music: Repair Machines by Vitalic

Agency:AKQA, San Francisco
Creative Director:Shira Bogart
Head of Mobile Technology:Sebastien Rousseau
Art Director:Hideki Owa
Copywriter:Miranda Maney
Designer:Josh Gross
Associate Designer:Jonathan Leachman
Management Supervisor:Victoria Graham
Programmer:Simon Whitty
Programmer:Joseph Wee


2011年2月7日月曜日

我々の身の回りに溢れる音を、音楽に変換するプロセスが見られるノイズ・ミュージックの映像

ミュージシャンの友人が多いこともあって、彼らの音に対する鋭敏な感覚に脅かされることがある。彼らは雨音を聞きながらギターを弾き始め音を音楽に変える。あるいは砂浜を歩く音を記憶していて、ピアノで再現する。そういう領域をノイズ・ミュージックと呼ぶ。ノイズ・ミュージックは、原則的に非楽音の芸術だ。

















僕自身は仕事柄、どちらかというと視覚に対する知覚の方が強く、街の風景やすれ違う人のファッションやポスターなどのビジュアルを、スキャンするように記憶してクリエイティブの材料にすることがある。この映像は、我々の身の回りに溢れる音を、どのようにして音楽に変換するプロセスが見られる映像だ。テンポの良い展開と無機質でミステリアスな音が、日常に溢れる雑音(注目すらしない音)から造り出されてる。

Sampled Room
Sampled Room from Mateusz Zdziebko on Vimeo.

by Mateusz Zdziebko
This is an example, how to use the basic stuff in your room in such creative and musician way. Just take some noisy and voiced objects and record them with any sampler. At the end use all this stuff to create any music u desire. Or... You even don't need any sampler. Just use your friends, give them gadgets and transform your party into gizmo-jam-session. I can guarantee much fun. Enjoy!

*ノイズ・ミュージックとは:伝統的な音楽的常識からは楽器と見なされないものを楽器や音源として使用し、楽曲を構成していく音楽。リズムや旋律は完全に無視されるので、当然音響作曲法により構成される。ノイズ・ミュージックでは、工具や工業製品、電子音、街頭の音、心音や、鳥のさえずりや波の音のような自然界の音などを、楽曲を構成するために利用する。現代のノイズ・ミュージックでは、それらの音をデータとして採取し、コンピューターを介して加工・混合、あるいはそのまま用いる手法も多用されている。

2011年2月6日日曜日

アクオスのCMに使われた京都の重森三玲旧宅は、伝統とモダンが融合したデザインのお手本。


昨年はゼミ生たちと重森三玲旧宅に行った。この写真見たことありません?そうです。あのアクオスのCMに使われました。写っている照明器具はイサムノグチがこの部屋に合わせてデザインしている。この日は三玲さんの息子さんと、お孫さんから丁寧な説明をして頂いた。彼のデザインは「永遠のモダン」と呼ばれ、昭和を代表する作庭家として今も根強い人気。京都に彼の旧宅を使った美術館があるときき、予約をして訪れてみた。

























足を踏み入れると、江戸中期に建てられたという格式ある造りの建物と、大きな石が随所に屹立する端正な日本庭園が現れる。第一印象はあくまで伝統的な、美しい日本の邸宅である。しかし、一歩建物の中に目を向ければ、大胆な市松模様をあしらった襖の格好良さや、イサム・ノグチによる照明など、現代的なデザインが随所に見られる、まさに「伝統とモダンの融合」のお手本のような空間だ。






















自作の書院前庭や茶庭、坪庭がつくられている新旧融合のきわめてユニークな場所だ。三玲が作庭した数々の寺社庭園や個人宅の庭などに比べた場合、この書院前の庭の特徴は、住まいとしての江戸期の建築と調和しながら、茶を中心にした日々の暮らしに合わせている点にある。1950年代から重森邸を度々おとづれた彫刻家のイサム・ノグチとの交友など、庭園をとおしての交流は多岐にわたる。三玲作庭の庭は、力強い石組みとモダンな苔の地割りで構成される枯山水庭園。
http://www.est.hi-ho.ne.jp/shigemori/association-jp.html


2011年2月5日土曜日

モノのパフォーマンス(効果)、つまり魅力と価値の関係をどう考えるのか?


よく講演会などで、「デザインでの価値創造」や「ブランド価値」を話す中で、商品の価値の話をする。あくまでも個人的な見解と比喩だが、商品価値には大きく分けると2つに分類でき「ワイン型の商品価値」と「牛乳型の商品価値」に分けてみるという仮説。ワインは、安くて500円ぐらいから、高いもので1本何千万円するものまである。価格差が広い商品といえる。一方で牛乳は、そう価格差がない。そう考えると、モノには価値創造をしやすいモノと、しにくいモノに大きく分けられてしまう。いまの世の中は、それぞれの消費者が認める価値と価格が混沌としているのではないかと思う。






















その人が持っているモノは、いわば分身。つまり人は、それぞれの考え方でモノの価値を判断しながら、それに見合う価格を払っている。ワイン型と牛乳型。これと同じように、モノの魅力や価値、すなわちパフォーマンスも二分して考えてみよう。ひとつは「物理的パフォーマンス」、もうひとつは 「心理的パフォーマンス」というキーワードだ。物理的パフォーマンスというのは、モノがどんな機能を持ち、どんな働きをするかを指す。たとえばクルマ。キーを回せばエンジンがかかり、アクセルを踏めば動き出す。1リットルのガソリンで十数キロを走れる。いわば、カタログの数値で比較検討できるパ フォーマンスである。一方の心理的パフォーマンスというのは、モノを持つとその先にどんな楽しみが待っているかを考えられる素質だ。かつてミニバンがよく売れた。これはクルマの物理的パフォーマンスだけではなく、買った後にどんな生活が待っているかを想像できたからだ。家族が居る男性だったら、荷物を乗せてバーベキューに出かける自分達の姿を想像してミニバンを選んだのではないだろうか。

いま日本は停滞気味だ。経済状況だけでなく、環境問題など、さまざまな問題が生活の中に存在する。そんな時代こそ、モノがもつ心理的パフォーマンスは大切だと思う。自分がその商品を買うことで、どんな新しい生活が待っているのか。そして生活を大きく変えてくれるものが、パ フォーマンスに富んだモノだと思う。たとえ景気が悪くても、そのようなモノであれば人々に欲しいと思ってもらえるだろう。

2011年2月4日金曜日

真っ白な紙、紙芝居の1シーンに映像を投影しています。まるでアリスの世界の様に、紙芝居の世界に閉じ込められてしまった人がそこに居るような演出のモーションピクチャーです



















真っ白な紙、紙芝居の1シーンに映像を投影しています。まるでアリスの世界の様に、紙芝居の世界に閉じ込められてしまった人がそこに居るような演出のモーションピクチャーです。「映画の要素」と「芝居の要素」を合わせもつ『紙芝居』投影は裏側から。紙芝居ではなく「飛びだす絵本」だそうです。【映画×芝居=紙芝居】Davy & Kristin McGuireの夫婦による、『紙芝居』のイノベーションです。

2011年2月3日木曜日

日常の空間に、重力から解放されたかのような浮游感と透過感を持ち込んだ倉俣史朗。



昨日内覧会があって「21_21デザインサイト」で開かれている「倉俣史朗とエットレ・ソットサス展」に行って来た。言葉では言い表せない深い感動を味わった。こんなにも美しい家具はないとも感じた。また会場設計や照明も、倉俣さんの作品に負けまいと端から端まで美しく行き届いていた。ぜひ皆さんも会場に足を運んで欲しい。それだけの価値がある展覧会だ。
http://www.2121designsight.jp/

倉俣史朗さんが生涯追求したのは、プロダクトを通しての「愛と夢と感性」あるいは「夢心地」だった。日常の空間に、重力から解放されたかのような浮游感と透過感を持ち込んだ。いわゆる「物の質量」を消したかったんだろう。そこが西洋の家具とは大きく違う感覚がある。そして、世界中のデザイン・ミュージアムが、これほどまで欲しがるプロダクトも他には無い。









































Miss Blanche 1988
倉俣史朗といえば「ミス・ブランチ」。名前は、テネシー・ウィリアムズ原作の戯曲『欲望という名の電車』の女主人公から。'91年に彼が他界してからもしばらく製作されたが、56脚目で打ち切りとなった。56は彼が人生の時間を止めた年齢と同じだった。'97年にはロンドンのクリスティーズで、$89,000で落札された。































How High The Moon 1986
「時間の軌跡や痕跡を感じるような素材は、僕自身あまり興味がありません。」と、言葉が添えられている。どこにでもあるステールメッシュでつくられた「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」僕の最も好みの倉俣作品だ。名前はデューク・エリントンのジャズ作品に由来。1998年、2シーターが海外のオークションで$24,000で落札され、話題となった。製造にはイシマルと寺田鉄工所が携わり、IDEEで販売された。現在は Vitra 社によって復刻販売されている。スケッチにある猫とネズミが可愛い。

Shiro Kuramata (2)59秒から~
倉俣史朗:1981年、エットレ・ソットサスの誘いで80年代前半を席巻する事になる革命的デザイン運動「メンフィス」に参加する。ソットサスからの手紙はスケッチ2枚だけであったという。この年、新設された日本文化デザイン賞受賞(現在僕も会員の一人)。1983年、工場で大量に出るくずガラスを人工大理石に混ぜ「スターピース」という素材を作る。また、エキスパンドメタル(金網材)を内装や家具に全面的に使い「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」など傑作を生む。代表作「ミス・ブランチ」はほとんど手作りに近く高価だった事もあり56脚しか作られなかった。その数字は彼の享年である。希少という事もあり「ミス・ブランチ」は'97年にはロンドンのクリスティーズで、$89,000で落札された。1990年、フランス文化省芸術文化勲章受章。1991年、急性心不全のため、死去。享年56