2019年2月2日土曜日

お薦めの書籍です。「宇宙飛行士は早く老ける?―重力と老化の意外な関係」

お薦めの書籍です。「宇宙飛行士は早く老ける?―重力と老化の意外な関係」ちょっとした移動も歩かずに車を使ったり、まるで「重力の恩恵を避けている」ような生活が、歳をとって辛い症状に悩まされる原因にもなる。つまり労働者やサラリーマンは適度な移動による運動などによって健康が維持できるが、社会的地位の高い人たちは、ショーファーのついた車などで移動し、贅沢でカロリーの高い食事で健康維持は困難だろう。何と世の中は公平なんだろう。

無重力状態で宇宙飛行士の身体に起こる変化は、加齢による老化とあまりにも似ているらしい。興味深い話だ。確かに宇宙から地球に帰還した宇宙飛行士の姿は何回か見たが長い無重力の環境から急変した重力の環境からいきなりリリースされても、歩行は困難で車いすで移動している。

健康を保つために、重力が不可欠であることを明らかにした、元NASA生命科学部門責任者による、重力の力を借りて老化を防ぐ知恵。過酷な訓練に耐えた宇宙飛行士が宇宙から戻ってくると、その肉体に年老いた人と同じような兆候がみられるのはなぜなのだろう。まるで浦島太郎のようだ。













無重力状態で宇宙飛行士の肉体に起こる変化は、老化の症状とあまりにも似ている。立っていても座っていても、歩いたり走ったりしていても、私たちを地面に引きつけている重力は、私たちの骨や筋肉や身体の感覚をいつも刺激して、良い状態に保つ働きをしている。だから重力の影響を受けない宇宙空間では、宇宙飛行士は一時的に老化してしまうのだ。元NASAライフサインス部門責任者による、重力の力を借りて健やかな老いを迎えるための知恵。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ヴァーニカス,ジョーン
元NASAライフサイエンス部門責任者。宇宙医学の開拓者として知られる

向井/千秋
宇宙飛行士。慶應義塾大学医学部卒業。1985年、日本で初めての宇宙飛行士に、毛利衛、土井隆雄の両氏とともに選ばれる。1994年、スペースシャトル「コロンビア」号に搭乗して、初の宇宙飛行。1998年にはスペースシャトル「ディスカバリー」号に搭乗して、77歳の元宇宙飛行士で上院議員だったジョン・グレンとともに「無重力と老化」についての数々の実験を行う。現在、ストラスブールの国際宇宙大学客員教授

白崎/修一
医師。弘前大学医学部卒業。1999年、4回目の宇宙飛行士選考で最終まで残った8人の1人。現在、札幌秀友会病院勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


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