2020年9月23日水曜日

デジタルが社会の隅々まで浸透した「アフターデジタル」社会を描いた本「アフターデジタル2 UXと自由」がアマゾンの首位に立った。

”オフラインのない時代に生き残る” ベストセラーランキング 1位- 70位本 - 1位ビジネスとIT - 1位コンピュータサイエンス (本) - 1位情報社会 表紙にUXと書かれた本がAmazonで一位になるということは、今まで無かっただろう。一般の読者のニーズが拡張しているのか?一般の読者の知識レベルが高いのか?専門書のたぐいに入る書籍が同じ著者で二回続けてAmazonで一位を何度も取るとは驚きだ。

ベストセラーランキング -1位に何度もなった「アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る」の続編「アフターデジタル2 UXと自由」これもベストセラー1位だ。この状況を分析してみよう。 日本はその社会に向けてゆっくりと進んでいた事を危惧していたが、コロナ禍で状況は一変した。一見速度を上げてアフターデジタル社会に突き進んでいるように見える。そして多くの日本企業は「DX(デジタルトランスフォーメーション)戦略」で活路を見いだそうとしている。

しかし実はその立脚点が危ういケースは少なくない。導入したものの社員のスキルが追いつかない。経営者が本質的にDXを理解していない、あるいは社員のデジタルスキルが欠落しているので外部のコンサル会社への依存が大きく、オペレーション出来る人材が少ないなど問題点満載にも見える。































著者の藤井さんは、問題はすべてがオンラインになるという前提に立っていない。と言う。本書ではアフターデジタル先進国の中国のアリババやテンセントといった巨大デジタル企業の「戦略」、表面的な取り組みの奥にある「本質」に迫っている。事実として、アフターデジタル社会では産業構造のヒエラルキーがひっくり返ってしまう。

これは予測ではなく、実際の中国市場がそうなっている。 こうした世界が広がれば、日本の経済を支えてきた製造業は最下層に位置づけられてしまう。アフターデジタル社会になると、マーケットのルールが変わると考えたほうがいい。キーワードは表紙にもある「UX」だ。 そして、アフターデジタル社会において成功企業が共通で持っている思考法を「OMO」(Online Merges with Offline)と呼ぶ。

オンラインとオフラインが溶け込んでオフラインが消えてゆくということだ。アリババのスーパーマーケットのフーマーマーケットがその典型だ。なぜか日本ではデジタルマーケティングは意外と取り込むことは早かった。しかし、今後は企業全体が「DX(デジタルトランスフォーメーション)」により可能な限りデジタル化が進むだろう。アフターデジタルでは、リアルがなくなるのではなく、リアルの役割が大きく変わると言われている。

トヨタの様な最強のメーカーでもこのままでは、サービサーの下請けに成り下がる可能性がある。なぜトヨタがソフトウエアファーストを標榜して変わろうとしているのかがよくわかる本だ。 これからのビジネスは商品を売ったら終わりではなく、平安保険のように一生涯そのお客様とつきあっていく”バリュージャーニー”型ビジネスにシフトしていくことがこの本からよく理解できると思う。

アフターデジタル型産業構造は、に漏斗(ファネル)の形をしていて、マーケティングファネルと呼ばれている。 なぜこうしたファネル型のモデルが用いられるかというと、ファネルの各段階(認知→興味・関心→比較・検討→購入・申込という段階)に進むたびに見込み客が「脱落」する傾向がある ファネルの上から1,決済を軸に経済圏を持つプラットフォーマー →2,ユーザの生活を向上する体験を生むサービサー→3,メーカーの3レイヤーになる。

一方新しいバリュージャーニー型はすべての顧客接点を台の上に統合的にまとめ、デジタル接点から店舗接点からリアル接点まで顧客がずっと乗り続け、企業がずっと寄り添う。一番わかりやすい事例はAppleや平安保険だろう。 

アフターデジタル型産業ヒエラルキーを見たとき、メーカーの持つ選択肢としては大きく以下の3つのパターンがある。 1,メーカーの位置で、良いモノを作り続けることでブランドを研ぎ澄ます。 2,サービサー化を目指し、 顧客接点を高頻度に獲得 しながらLTV(Life Time Value/ライフタイムバリュー)型に転換 3,サービサー勃興時代を 見据え、toBプラット フォーマーのレイヤーを 取る さあ、どれを選択するのか?

この段階での意思決定次第で企業の未来は大きく変わる。今回のパンデミックでわかったことは、未だFAXで作業を行う保健所や、区役所での特別定額給付金の支払いの複雑さで、日本が以下にIT後進国であることが露呈した。大丈夫か日本!    

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 藤井 保文 株式会社ビービット東アジア営業責任者。1984年生まれ。東京大学大学院情報学環・学際情報学府修士課程修了。2011年ビービットにコンサルタントとして入社。2014年に台北支社、2017年から上海支社に勤務し、現在は現地の日系クライアントに対し、UX志向のデジタルトランスフォーメーションを支援する「エクスペリエンス・デザイン・コンサルティング」を行っている。2018年9月からはニューズピックスにおいて、中国ビジネスに関するプロピッカーを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 多くの日本企業は「DX(デジタルトランスフォーメーション)戦略」も加速していますが、まだすべてがオンラインになるという理解が浅く前提に立っていないのです。なぜ「DX(デジタルトランスフォーメーション)」をやらなければならないのか?と言うことを理解していない経営者も多いように思う。加えて社内にITテクノロジーに強い社員がいないことも今後の課題だろう。https://amzn.to/360IdT0

 

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