[廣田さんの発言] 私は日本のマーケティングの現状に、いくつかの問題点を感じています。
そのひとつが、Techへの偏りです。DXの進展によりTech領域が広がれば広がるほど、日本企業のカルチャー領域への理解不足が心配になります。たとえばグローバルで支持されているブランドをみると、アメリカのヒップホップカルチャーの強い影響を受けているものが多くありますが、そうしたカルチャーを積極的に理解しリスペクトするマーケッターは少ないように感じます。NIKEもTiktokも、みんなカルチャーへの理解があるのです。最近のできごとに重ねていうなら、Black Lives Matterの運動に呼応したコミュニケーションをしようとしても、文化的・社会的な背景を知らなくては、うわべだけのメッセージであることが透けて見えて、真の共感を得ることはできないでしょう。文化的・社会的な領域の理解は、2020年に全世界の消費者の40%を占め(英国Stylus Media Group調べ)、有力な購買層となりつつあるZ世代へのアプローチにおいても大切といえます。Z世代は、環境活動家グレタ・トゥーンベリに象徴されるように、社会的イシューに非常に敏感な世代だからです。(廣田周作)
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