「好奇心とイノベーション」8人のイノベーターとの対談集です。その一人猪子寿之さんとの対談の一部を投稿します。
(記事タイトル)
チームラボ 猪子寿之×坂井直樹 対談 ~脳を拡張するものに、人間の興味はシフトする
(リード)
コンセプターの坂井直樹さんが、今起きている社会の変化の中でも、少し先の未来で「スタンダード」となり得そうな出来事、従来の慣習を覆すような新しい価値観を探る対談コラム。第2回目はデジタルアートや、ソリューション事業を行う「チームラボ」の猪子寿之代表。デジタルアート作品が飾られている、チームラボのオフィスで語り合いました。坂井さんから繰り出される問いに、ときに猪子さんが「ちょっと散歩して考えてきていいですか?」と、身体全体を使って向き合いながら、対談は進んでいきました。
自分が作ったものを、自分で体験したい
坂井:チームラボは、デジタルアートミュージアムを作ったり、りそな銀行のアプリを作ったり、アートもビジネスの能力もあるから、万能に見えるよね。
猪子:創業時からアートはやっていたんですが、お金にならないので、アートを続けるために稼がなきゃいけなかったんです。その時代が長くて、そのおかげでソリューションビジネスの基盤ができた、というだけです。僕はもうアートしかやっていなくて、他の創業メンバーがソリューションに特化した仕事をしています。
坂井:総合力ってやっぱり組織の維持にとってもアートの表現にとっても大事なんだろうね
猪子:お台場の「チームラボボーダレス」は、基盤の技術をたくさん使っていて、3~4年かけて作っています。それも総合力のおかげ。細かい話ですけど、チケット販売も自社でやっていて、入場ゲートや券売機もつくったんです。全部統合的に管理したほうがいいので。でも、グローバル対応で統合的にリアルタイムに処理できるものがなくて。基盤の技術も含めてサービスとして成り立っていますね。
坂井:お台場の入場数は4か月で100万人を超えたと聞きました。猪子さんの仕事ぶりを見ていると、ガラッと世の中が変わる感じがします。
猪子:自分たちで設備を作ったことは、一般的な美術館との違いがよく表れていると思います。これまでだと作品を美術館で展示して、作品に権威がつく。それを、ギャラリーを通して売るのがアートのエコシステムでした。で、その数を限定することで、セカンダリー・マーケットも成り立っています。つまり比較的狭いワールドです。ところが僕は、アートはつくりたいけれど、根本的に売るとか、狭い世界の権威とかに興味がない。なんでアートつくりたいかというと「自分がつくったもので自分が体験したいから」なんです。それなら体験を普通に売ったほうが素直だなと思って。
坂井:それで常設のミュージアムを作った、というわけですか。「チームラボボーダレス」のデジタルアート作品は、巨大な空間の中にあって、見に来る人に反応してどんどん変わっていくし、同じ瞬間が一度もない。所有できないものね。朝10時ぐらいに行ったら、もうすでに子供もお母さんも楽しそうにしていて。カップルもお年寄りもいて。普通の美術館では子供たちが楽しくないのは、アートに参加できないからですね。
(記事タイトル)
チームラボ 猪子寿之×坂井直樹 対談 ~脳を拡張するものに、人間の興味はシフトする
(リード)
コンセプターの坂井直樹さんが、今起きている社会の変化の中でも、少し先の未来で「スタンダード」となり得そうな出来事、従来の慣習を覆すような新しい価値観を探る対談コラム。第2回目はデジタルアートや、ソリューション事業を行う「チームラボ」の猪子寿之代表。デジタルアート作品が飾られている、チームラボのオフィスで語り合いました。坂井さんから繰り出される問いに、ときに猪子さんが「ちょっと散歩して考えてきていいですか?」と、身体全体を使って向き合いながら、対談は進んでいきました。
自分が作ったものを、自分で体験したい
坂井:チームラボは、デジタルアートミュージアムを作ったり、りそな銀行のアプリを作ったり、アートもビジネスの能力もあるから、万能に見えるよね。
猪子:創業時からアートはやっていたんですが、お金にならないので、アートを続けるために稼がなきゃいけなかったんです。その時代が長くて、そのおかげでソリューションビジネスの基盤ができた、というだけです。僕はもうアートしかやっていなくて、他の創業メンバーがソリューションに特化した仕事をしています。
坂井:総合力ってやっぱり組織の維持にとってもアートの表現にとっても大事なんだろうね
猪子:お台場の「チームラボボーダレス」は、基盤の技術をたくさん使っていて、3~4年かけて作っています。それも総合力のおかげ。細かい話ですけど、チケット販売も自社でやっていて、入場ゲートや券売機もつくったんです。全部統合的に管理したほうがいいので。でも、グローバル対応で統合的にリアルタイムに処理できるものがなくて。基盤の技術も含めてサービスとして成り立っていますね。
坂井:お台場の入場数は4か月で100万人を超えたと聞きました。猪子さんの仕事ぶりを見ていると、ガラッと世の中が変わる感じがします。
猪子:自分たちで設備を作ったことは、一般的な美術館との違いがよく表れていると思います。これまでだと作品を美術館で展示して、作品に権威がつく。それを、ギャラリーを通して売るのがアートのエコシステムでした。で、その数を限定することで、セカンダリー・マーケットも成り立っています。つまり比較的狭いワールドです。ところが僕は、アートはつくりたいけれど、根本的に売るとか、狭い世界の権威とかに興味がない。なんでアートつくりたいかというと「自分がつくったもので自分が体験したいから」なんです。それなら体験を普通に売ったほうが素直だなと思って。
坂井:それで常設のミュージアムを作った、というわけですか。「チームラボボーダレス」のデジタルアート作品は、巨大な空間の中にあって、見に来る人に反応してどんどん変わっていくし、同じ瞬間が一度もない。所有できないものね。朝10時ぐらいに行ったら、もうすでに子供もお母さんも楽しそうにしていて。カップルもお年寄りもいて。普通の美術館では子供たちが楽しくないのは、アートに参加できないからですね。
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