2010年12月27日月曜日

クエスチョンマーク(?)というのは、古代の占いで用いた杖が地面に立っている姿をデザインしたという説。

実は十数年前に左足の大腿骨を折る大怪我をした。退院してからもしばらくは杖の厄介になった。この時、杖の魅力に気づき、直った今も時々使っている。市販されている杖は、持ち手の形状から二つのグループに分けることができる。杖のはじまりは木の枝をそのまま使ったと考えられ、ストレート型が基本型。その次に19世紀から20世紀初頭にかけて大流行した逆J字型(傘の柄のような形)だ。クエスチョンマーク(?)というのは、古代の占いで用いた杖が地面に立っている姿を表しているという説がある。OMHUの杖はまさに(?)をデザインしているように見える。
OMHU cane
どうも市販の杖は高齢者やハンデイキャッパー専用の実用器具として考えられてはいないか。実用器具だから機能を満たせばいいというのか退屈なデザインが多い。しかし、杖というアイテムには、本来どこか粋人好みのスノッブな香りが漂うようだ。確か江戸時代には「化粧杖」という細すぎて実用的とはいえない銀細工などを施した装飾的な杖が流行ったことがある。
OMHU CANE SIZE from OMHU on Vimeo.

田村奈緒さんのブログから、彼女の昔の同僚のClayAllenがエンジニアとデザインを手がけた杖が発売になった。デザインの説明にはスカンジナビアの家具や自転車、ホッケーのスティックにインスパイアされた。とブログに書かれている。とても上質のデザインだ。

OMHUという会社で社名はデンマーク語で “with great care” という意味を持ち、お年よりだけではなく多くのハンディキャップのある人達の生活をより良く、楽しくする為にプロダクト開発をしている会社という。若いデザイナーの中で高齢者に向けたデザインが最近では良く話題に上る。日本と北米、ヨーロッパでは体の大きさ、生活環境も違いそれぞれ違った問題点、そこから出る気づきも多くとても興味深いトピックだと思います。(田村奈緒さんのブログ:http://phofa.net/blog/nao/

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