「20世紀の工業デザインとは基本的にはパッケージデザインである。」と山中さんは言い切る。例えばフェラーリの機能美といっても、所詮それは彫刻的な美しさであって、真の意味でテクノロジーとデザインが一体化しているわけではない。素朴なマシン・テクノロジーを洗練させて見せる衣装としてデザインが使われているだけなのだ。それが最近はマイクロマシーンやナノテクノロジーのように、それ自体に生命感をもった繊細なテクノロジーが登場しはじめている。この新しいテクノロジーの機能を丁寧にデザインすれば、いままでの(用の美)とは違う、21世紀の機能美が表現できるはずだと語る。今まさに、20世紀とは明らかに違うテクノロジーとデザインの関係が生まれつつある。そしてその変化を、我々は山中さんの仕事を通じて実感することができる。また山中さんは美しいものを作るデザイナーであると同時に美しい文章を書く文筆家でもある。
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