二ヶ月前に元人気漫画家の蔡躍棟と会ったときは電子タバコ「YOOZ」を買収した直後で、まだオフィスには従業員もまばらで、名刺さえ無かった。ところが先週訪れたときには従業員が200名を超え、会社らしい体裁を整え、一ヶ月に3億円の利益をたたき出していた。この強烈な速度感が私を中国の虜にしている。
年々、成長をとげているEC市場。その中でも、メーカーやブランドが自らECサイトを構築して直接消費者とつながり、ファンを増やしながら販路を拡大する「D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)」モデルが台頭してきている。この電子タバコ「YOOZ」も中国D2Cブランド成功事例として取り上げられており、ソーシャルメディアの口コミで1日に500万元(約8,000万円)の売上げ達成した。
春節の定番ギフトである煙草の代替品として、“電子タバコ”を贈るのが中国でブームになりつつある。多くの異業種ニューカマーが参入して話題を集める中国の“電子タバコ”市場で、いきなりトップ5に登場したYOOZの成功の大きな要因は「D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)」モデルであることだ。
中国の喫煙者の“電子タバコ”に対する認知の向上と共に、これまで春節ギフトの定番であった煙草の代替品として“電子タバコ”を贈るのがブームだ。また、近頃中国では“電子タバコ”市場に多くの異業種ニューカマーが参入し話題を集めている。人気漫画家の蔡躍棟も電子タバコに目を付けた1人だ。
2019年1月20日、蔡躍棟氏は微信(Wechat)のモーメンツ(タイムライン形式での投稿)で、「新しいビジネスを始めます。皆さん応援して下さい!」と発表した。電子タバコ「YOOZ」の販売を微信ミニプログラムで開始し、微信のモーメンツやKOL(インフルエンサー)等による宣伝・拡散によって、発売から24時間で500万元(約8,000万円)を売り上げた。
蔡躍棟氏は清華大学美術学院を卒業後、「微博(Weibo)」上で発表した12星座キャラクターの漫画エッセイシリーズ「大道大叔」が大きな人気を博した。現在はエンジェル投資家としても活躍する同氏は「大道大叔」の活動を停止した後、アメリカ・シリコンバレーで実地調査を行い、個人投資家へと転身。さらに、ファーストフードチェーン「黄太吉」創業者の赫畅氏らと共に「YOOZ」を起業した。
異業種から参入した理由については、「従来の煙草や加熱式タバコと比べて、電子タバコは煙に含まれる主な有害物質を取り除き、禁煙や受動喫煙を防ぐ助けとなる。電子タバコは従来の煙草の代替品として価値があり、禁煙に効果的だと思った。当時はまだ市場に総合的に満足がいく商品が見当たらず、私たちは電子タバコで起業することにした」と語る。
中国版インスタグラム「小紅書(RED)」で拡散される「YOOZ」、「彼氏へのプレゼントにコスパ抜群」、「禁煙におすすめ」、「煙の臭いが気にならない」などのコメントが書き込まれている。電子タバコ「YOOZ」の販促方法は、「淘宝(タオバオ)」店舗への出店や、伝統的な消耗品販売ルートを使っていないところに特徴がある。「YOOZ」の販売ツールは微信(WeChat)ミニプログラムの店舗で、ソーシャルメディアで紹介されたQRコードをタップするとすぐに販売サイトへ遷移し、直接購入することができる。
創業者の蔡躍棟氏や赫畅氏は、これまで企業家やKOL(インフルエンサー)と築き上げた人的資源があり、ソーシャルメディアで知人や友人から多くの信用と指示を得ている。彼らは自身の強力な人脈や、SNS個人アカウントのPV数の優位性を活かしたマーケティングで、多くの注文を短時間に取り付けた。
創業者の各メンバーは、それぞれ20の大口取引先を対象にタイムライン形式で情報を拡散し、即座に100余りの大型顧客との接点を取り付けると同時に、KOLらの影響力を活用して潜在顧客に対する「YOOZ」ブランドの知名度向上に成功した。「電子タバコは、中国国内の喫煙者にとってまだ少数派が使用するものだという考えがあり、販売ルートも未成熟だった。そのため、YOOZの最初の商品マーケティングはソーシャルメディアによる“口コミ”を主体とし、将来的にオフラインの実店舗やオンラインショップで効力を発揮する方法を採った」と蔡躍棟氏は言う。
特に注目すべきは、「YOOZ」は初回販売で単品の取り扱いを行わず、5,800元(約9万円、18セット)、18,800元(約30万円、60セット)、36,800元(約60万円、150セット)の3種類のギフトボックスのみを用意したことにある。
蔡躍棟氏はその理由について、春節ギフト商戦のこの時期に、消費者にとって有意義な贈り物を提案したかったのだと言う。そのため、YOOZはギフト用のミニプログラムを開発し、ユーザーがオンラインで商品を購入して直接贈りたい人にお届けできるよう、ギフトカードや受取人の住所を選択できるようにした。
中国は世界一のたばこ消費国であり、喫煙者数は約3.5憶人で全世界の1/3を占める。また、74%の喫煙者が禁煙しようと思った経験があるという。現在、市場には“加熱式タバコ”(煙草葉使用、ニコチン・タール含む)と“電子タバコ”(煙草葉不使用、ニコチン・タール含まない)が混同し、前者は国家専売制度の管理下にあって民間企業は参入できないが、後者へは参入が可能だ。
https://kol.westock.jp/column/uu98H
蔡躍棟と赫畅 |
春節の定番ギフトである煙草の代替品として、“電子タバコ”を贈るのが中国でブームになりつつある。多くの異業種ニューカマーが参入して話題を集める中国の“電子タバコ”市場で、いきなりトップ5に登場したYOOZの成功の大きな要因は「D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)」モデルであることだ。
中国の喫煙者の“電子タバコ”に対する認知の向上と共に、これまで春節ギフトの定番であった煙草の代替品として“電子タバコ”を贈るのがブームだ。また、近頃中国では“電子タバコ”市場に多くの異業種ニューカマーが参入し話題を集めている。人気漫画家の蔡躍棟も電子タバコに目を付けた1人だ。
2019年1月20日、蔡躍棟氏は微信(Wechat)のモーメンツ(タイムライン形式での投稿)で、「新しいビジネスを始めます。皆さん応援して下さい!」と発表した。電子タバコ「YOOZ」の販売を微信ミニプログラムで開始し、微信のモーメンツやKOL(インフルエンサー)等による宣伝・拡散によって、発売から24時間で500万元(約8,000万円)を売り上げた。
蔡躍棟氏は清華大学美術学院を卒業後、「微博(Weibo)」上で発表した12星座キャラクターの漫画エッセイシリーズ「大道大叔」が大きな人気を博した。現在はエンジェル投資家としても活躍する同氏は「大道大叔」の活動を停止した後、アメリカ・シリコンバレーで実地調査を行い、個人投資家へと転身。さらに、ファーストフードチェーン「黄太吉」創業者の赫畅氏らと共に「YOOZ」を起業した。
異業種から参入した理由については、「従来の煙草や加熱式タバコと比べて、電子タバコは煙に含まれる主な有害物質を取り除き、禁煙や受動喫煙を防ぐ助けとなる。電子タバコは従来の煙草の代替品として価値があり、禁煙に効果的だと思った。当時はまだ市場に総合的に満足がいく商品が見当たらず、私たちは電子タバコで起業することにした」と語る。
中国版インスタグラム「小紅書(RED)」で拡散される「YOOZ」、「彼氏へのプレゼントにコスパ抜群」、「禁煙におすすめ」、「煙の臭いが気にならない」などのコメントが書き込まれている。電子タバコ「YOOZ」の販促方法は、「淘宝(タオバオ)」店舗への出店や、伝統的な消耗品販売ルートを使っていないところに特徴がある。「YOOZ」の販売ツールは微信(WeChat)ミニプログラムの店舗で、ソーシャルメディアで紹介されたQRコードをタップするとすぐに販売サイトへ遷移し、直接購入することができる。
創業者の蔡躍棟氏や赫畅氏は、これまで企業家やKOL(インフルエンサー)と築き上げた人的資源があり、ソーシャルメディアで知人や友人から多くの信用と指示を得ている。彼らは自身の強力な人脈や、SNS個人アカウントのPV数の優位性を活かしたマーケティングで、多くの注文を短時間に取り付けた。
創業者の各メンバーは、それぞれ20の大口取引先を対象にタイムライン形式で情報を拡散し、即座に100余りの大型顧客との接点を取り付けると同時に、KOLらの影響力を活用して潜在顧客に対する「YOOZ」ブランドの知名度向上に成功した。「電子タバコは、中国国内の喫煙者にとってまだ少数派が使用するものだという考えがあり、販売ルートも未成熟だった。そのため、YOOZの最初の商品マーケティングはソーシャルメディアによる“口コミ”を主体とし、将来的にオフラインの実店舗やオンラインショップで効力を発揮する方法を採った」と蔡躍棟氏は言う。
特に注目すべきは、「YOOZ」は初回販売で単品の取り扱いを行わず、5,800元(約9万円、18セット)、18,800元(約30万円、60セット)、36,800元(約60万円、150セット)の3種類のギフトボックスのみを用意したことにある。
蔡躍棟氏はその理由について、春節ギフト商戦のこの時期に、消費者にとって有意義な贈り物を提案したかったのだと言う。そのため、YOOZはギフト用のミニプログラムを開発し、ユーザーがオンラインで商品を購入して直接贈りたい人にお届けできるよう、ギフトカードや受取人の住所を選択できるようにした。
中国は世界一のたばこ消費国であり、喫煙者数は約3.5憶人で全世界の1/3を占める。また、74%の喫煙者が禁煙しようと思った経験があるという。現在、市場には“加熱式タバコ”(煙草葉使用、ニコチン・タール含む)と“電子タバコ”(煙草葉不使用、ニコチン・タール含まない)が混同し、前者は国家専売制度の管理下にあって民間企業は参入できないが、後者へは参入が可能だ。
https://kol.westock.jp/column/uu98H
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