1980年、人口3万人の漁村・深圳が中国初の経済特区になった。以来38年、隣接する香港を凌駕する「アジアのシリコンバレー」に成長した。世界最先端都市の現在の人口は1250万の経済特区に成長した。そこに住む人々は平均年齢が32才で猛烈に働く、何のため?と聞くと孫や家族のためで贅沢をしたいからではないという。深圳人の無限の欲望だ。
「アジアのシリコンバレー」「世界最先端都市」最近、香港に隣接するこの人口1250万人の経済特区を訪れると、10年前とは格段の進化を遂げていた。深圳中心部の福田区の一角を占める「華強北」は、いまや秋葉原の30倍という世界最大の電子商店街に肥大化した。ビックカメラやヨドバシカメラの本店などが、地平線まで連なっている。一日の集客量は30万~50万人だ。
世界のドローン市場でシェア7割を超えるDJI(大疆創業)が開発した自撮り用ドローン。手のひらサイズのドローンを頭上に飛ばし、俯瞰的に撮影してくれる。DJIは「深圳ユニコーン」(ユニコーンとは時価総額10億ドル以上の非上場企業)の代表格である。'80年生まれの汪滔氏が、'06年に「空飛ぶスマホを創る」との発想から、20人で創業した。いまや社員数1万1000人の巨大企業に成長。社員の平均年齢は28歳で、BMWやベンツをボーナスに出すことなどから、「深圳で一番モテる会社」と言われる。
このDJIに加え、電気自動車で世界最大手のBYD(比亜迪)、携帯電話で急成長を遂げるファーウェイ(華為)、そして中国最大のIT企業テンセント(騰訊)などが、「深圳ブランド」の代表格である。
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1991年生まれの蜂群文化(HIVE)のCEOのもーちゃん(Mo Liyang) |
今回の深圳旅行で出会った一人の若者にフォーカスする。1991年生まれの蜂群文化(HIVE)の最高経営責任者(CEO)のMo Liyang氏だ。通称もーちゃん。昨年、27歳のMo LiyangがForbes Chinaの30歳以下の成功者に選ばれた。1人の人物がWeiboの「セグメント」に参加してから、新しいメディア企業の最高経営責任者になるまで、Mo Liyangは3年で達成した。
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蜂コロニー年次総会ライブハウスサイト |
Weiboの利用シーンは、ユーザーの関心領域は「芸能人」が最も多く、続いて「美人・イケメン」「車」「アニメ・漫画」、その次に「映画」「グルメ」「ファッション」「文学」「スポーツ」「メイク」「ゲーム」と続きます。また「フィットネス」「ゲーム」「株式市場の情報」「感動系」にもユーザーの需要があることがわかる。
このことからは、Weiboのユーザーの関心領域をある一つの傾向でまとめることは難しく、趣味に通ずる多領域をカバーするSNSであることがわかる。それが現在のKOL蜂群文化のKOL構築に役だったと考えられる。KOLは中国でのオンラインマーケティングにおいて重要な役割を持っている、SNS上で影響力の高いアカウントのことを指す。
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ミツバチのコロニー培養のレッドマトリックス |
2012年、もーちゃん(Mo Liyang)はまだ大学に在籍していたが、当時はWeiboが中国のソーシャルメディアにとって最大のステージだった。SNSに深い理解と意識を持って育ったMo Liyangは、彼自身のコンテンツ制作を始め、そして "Division Emperor"と "Jingjunjun"を含むWeiboアカウントを運営し始めた。
卒業後、Mo Liyangは大学院での研究をやめ、両親の強い反対のもとで、断固として「コンテンツ制作」を始めるために深圳にやって来た。
今日、Bee Colony Group(蜂群文化)は、ブロガーを含む750人以上の従業員を擁している。ミツバチのコロニーMCN(マルチチャンネルネットワーク)は、「インキュベーション+署名」という評価軸モデルを通じて約1,000人のマトリックスを確立し、約800人までのKOLはすでに商品化されている。
ネットワーク全体が4億人を超えるファンをカバーしている。テレビが弱い中国ならではのKOLの存在はインフルエンサーを超えてメディアになっている。
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