多元化し多層化した文化の影響によるヒップホップの「サンプリング」というテクニックから着想を得て、独立した多色の絵具の筆跡を貼り合わせる「カットアンドペースト」という独自の表現手法で作品が制作されている。久しぶりに興味深いアーティストの登場だ。
「カッコイイ作品をつくり続けていれば、いつか必ずスポットライトが当たる順番はまわってくる。そのときのために、常に準備しておけ」。ずっと先輩たちから、そういわれてきた。「いま、ひょっとしたらその順番がきているのかもしれない」。そう話すのは現代アーティスト山口歴(めぐる)31歳。
多色の絵具の筆跡を貼り合わせる「カット&ペースト」という独自の手法と色彩感覚だろう。急速に頭角を表し、日本のカルチャー誌にも特集され、今年は香港SOGOデパートの30周年記念アーティストに抜擢されてビルボードを飾るなど、海外でも目立つ存在へ。
ニューヨークへ来て8年、「最近、やっと『アーティストです』と名乗ることに抵抗がなくなりました」と照れながら笑うも、謙虚さの中に確信をにじませる。ニューヨーク・ブルックリンで活動を行う山口氏。彼は独自に確立したブラシストロークを得意とし、キャンバスにコラージュ作品を描く。筆跡がそのまま彫刻のようにむき出しに現れた作品。
Meguru Yamaguchi & Chrissy Angliker from Ryosuke Tanzawa on Vimeo.
■山口歴(やまぐちめぐる)1984年生まれ東京都出身の画家。現在NY、ブルックリンにて活動。ブラシストロークを独立させ作成し、キャンバスにコラージュする独自のスタイルを持つ。
STUSSYやALIFE、CHARI&COはじめとするUSストリート・カルチャーの代表的ブランドとコラボレーション商品を発表、2015年は香港のタイムズスクエア、SOGO HONGKONGの30周年記念アーティストに選出され30mのビルボードを飾るなど活動の幅を広げている。主な展示にACE HOTEL NY、Kinfolk 94や+81 gallery NY、東京のHidari Zingaroなど。
meguruyamaguchi.com/
http://heapsmag.com/artist-meguruyamaguchi
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