【目次】
1 男と女の違い(違いを理解する/ポルノグラフィーとピンクロマンス)
2 女の夢(いつまでも続けたい-継続性への欲求/アイドルへの愛 ほか)
3 男の夢(エロティシズムとモラル/性的誘惑 ほか)
4 混合性愛(共産主義的エロティシズム/カリスマへの集団恋愛 ほか)
5 愛のメカニズム(三つのメカニズム/快をもとにしたメカニズム ほか)
6 ジレンマ(真実信仰の偽り/女のジレンマ-内面か外見か ほか)
7 終わりに(生命力の源泉/身体による認識 ほか)
男のエロティシズムは、女性の持つ身体、肉体の美しさ、性的魅力、誘惑力によって動機づけられるが、女性の名声、社会的地位、知名度、あるいは権力によってではない。もし男が、有名だが美しくない女優か、無名だが惚れぼれする女か、どちらかと寝ろといわれれば、間違いなく後者を選ぶとの記述は面白い。
ミラン・クンデラが書いている。「女が求めるのは美しい男ではない。美しい女を持っている男でありポルシェなどの高級車に乗るような権力や金を持つ男」つまり権力だ。女のエロティシズムは、ほかの女からも愛される社会的価値のある男と寝てみたい。常に男の持っている地位、知名度、世間的評価、役割などに向かう傾向がある。
「男性や社会に従うように教育されてしまった女性」というやや古い認識だが、残念ながらその価値感は現在も継続しているようだ。
(WEB上の書評やamazonの書評と自分自身の読後感を再編集した。)
エロティシズム (中公文庫) [文庫] フランチェスコ アルベローニ (著), Francesco Alberoni (原著), 泉 典子 (翻訳)
0 件のコメント:
コメントを投稿