深堀隆介さんが作りだす「金魚養画場」を見たときの衝撃。本物の金魚をレジンで閉じ込めたと単純に思っていた。「残酷で嫌だなあ」と、勘違いしていた。それくらいリアルで騙されてしまった。ところが動画で制作プロセスを見たら、なんと枡や、木桶の中に透明のレジンを薄く流し込み、そこにアクリル絵の具で金魚の断面を何層も描く。
さらにレジンを流しこみ描き積み上げて3Dの画像を描いたということだった。気の遠くなる作業だ。やられた!つまり多層の平面画像を積み上げて金魚が立体になる。
小さな容器の小宇宙で生きる金魚という小さな生き物の世界に「ビューティー」も「グロテスク」も混ぜ合わせ、静かなサディスティックを秘めている画風。生きた本物の生物を使った戸田正寿の画集「HEIAN」の美とは、真逆の手法となる。
彼は、これまで日本人が培ってきた箱庭のような美の小宇宙世界のシンボルとして金魚を扱ったのだろう。そう言えば金魚はフナをリデザインしたものだった。つまりフナの突然変異であるヒブナを観賞用に飼育、交配を重ねていった結果生まれた金魚の人工性は、深堀さんの格好のテーマになった。
(以下は深堀さんのホームページなどから引用)
自分には金魚以外にない。生き物なのに人工物という妖しさ、美しさ。自分にとって金魚はもうモチーフじゃなく、言語なんです。
「何故いままでその美しさに気がつかなかったのか。何故いままでその狂気(人工)に気がつかなかったのか。金魚は、善も悪も持っている。金魚には全てがある。だから美しいのだ。」http://goldfishing.info/
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