2012年2月9日木曜日

"「エンタメ」の夜明け" ディズニーランドが日本に来た!と電通の「鬼十則」と二人の電通マンの話し。

慶應SFCの学生にも未だ人気のある「電通」単体では世界最大の広告代理店である「電通」しかし一方で電通は、海外展開は欧米の大手広告グループと比べると非常に弱く、海外での認知度も極めて低いのが残念。ともあれ、その電通には四代目社長吉田秀雄によって1951年につくられた「電通マン」のルールブックとも言える「鬼十則」と呼ばれる非常に有名な言葉がある。

1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
2. 仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
3. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
4. 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
5. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。
6. 周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。
7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
9. 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。
10. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。

「鬼十則」を頭に置いて"「エンタメ」の夜明け" を、読むと、この本はなお面白い。「人を楽しませることのプロとは?」のお話しだ。ホイチョイ・プロダクションズのリーダー馬場康夫の書き下ろし。日本のエンタテインメント草創期の嘘のような本当の話。主人公の一人は、小谷正一。アメ車を颯爽と乗り回し、ときにはドスのきいた声で凄むインテリ・ヤクザ、仲間から「今一番不可能な仕事は鉄のカーテンの向うから誰かを呼ぶことや」といわれ、小谷は3年をかけて、当時のソ連のバイオリニスト、ダビット・オイストラフを招聘した。

もう一人の堀貞一郎は、11PM、シャボン玉ホリデー等黎明期のテレビ番組の数々の企画した。という二人の電通マンのノンフィクション。ふたりとも大阪万博、そしてディズニーランドの立ち上げに関わった人物。なかでも僕が特に好きなエピソードは、オイストラフ婦人の東京旅行をサポートした若き電通マンが行った行為(好意)。婦人が購入しようとして、迷い買わなかった商品のリストを密かに作り、それをすべて買って、ソ連への帰りの羽田で土産として手渡した話しは凄い、ホスピタリティーの極限だろう。

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