ヤコブ・イェンセンがデザインしたバング&オルフセンのスマートなデザインが印象的な「T-3電話機」は、皆さんが一度は見たことがあるのではないだろうか?ちょっと洒落たデザイン・コンシャスな会社の無人の受付には、お約束のようにこの電話機です。受話器とボタンのついた本体とがフラットな設計になっており、ブラック/メタリックなカラーが、シャープな洗練されたデザインに仕上がっている。美しいプロダクトを見ると、このデザイナーはどんな住居に住んでいるのか?と、考えてしまうことがある。ヤコブ・イェンセンも、そう思わせるデザイナーの一人だ。
今彼は80才を超え、バング&オルフセンを含む500を超える工業デザインを生み出している。このヤコブ・イェンセンの自宅の一枚のドアは「24羽の鳥が、それぞれ違う素材の木で削られている」そしてドアにはオリジナルの魚をデザインしたドアハンドル、実に美しいデザイン、そして美しい工芸だ。この家もドアも1949年に、jacob hermannというjensenのコペンハーゲンの「アーツ・アンド・クラフト」という芸大の仲間の先生がデザインしたようだ。1949年は芸術と工芸と工業がまだ混在していた時期に当たる。このブログではドアのみにするが、家全体や周辺の自然環境共に素晴らしい。「T-3電話機」のような電話機は、実はこういう工芸的な空間に置いてこそ美しい。
*jacob jensenとは、1926年コペンハーゲンに生まれる。1948年、The school of Applied Arts にてインダストリアルデザインを学ぶ。その当時、教師としてハンス・J・ウェグナー、コーレ・クリントが在籍。1952-58年、The first Danish industrial design studio で、Sigvard Bernadotte と Acton Bjφrn のもとインダストリアルデザイナーとして働く。1954年から同スタジオのリーダーとなる。その間、アメリカにてレイモンド・ローウィ、Latham、Tyler らと仕事をする。1958年にJacob Jensen Design を設立。1959-61年に、シカゴ大学にてアシスタント・プロデューサーとしてインダストリアルデザインを教える。1965-91年、バング&オルフセンと共同事業で数多くの受賞作品を手がける。1989年、Jacob Jensen Design の運営を息子に任せるが、尚現役としてデザイン活動を続ける。
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