慶應SFCの坂井研の冬ゼミで金沢に行ったときに「金沢21世紀美術館」で、「廊下や美術館の外の庭」などまさか作品展示とは思えなかった場所に、「本物と見分けがつかないほど精巧に草花を木彫で作った植物」が点在していた。学芸員の説明が無ければ、おそらく僕も気がつかなかっただろう。それもそのはず、須田悦弘さんは通常作品が展示されることのない「ふとした場所に設置する手法で知られる作家」だ。彫刻家と呼ばれることを須田さんがまったく否定する通り、彼の作品の最大の特徴は、木彫そのものの繊細さはもちろんのこと、思いがけない空間を作り出し、忍ばせる見せ方にある。(画像にあるコンクリートから出ている朝顔や草が木で彫られた植物に見えますか?)
(須田悦弘さんの語り)
「空間にひっそりと咲く、木彫の花々。」93年から作品を発表していますが、木で作った植物を空間に展示するというスタイルは変わっていません。基本的には、好きなものを作り続けている、作りたいものを作っているだけです。ある場所に、ある筈のない、あるものと、ある時を、ある場合にのみ、存在させるその「あるもの」が、今のところ私には木で彫られた植物なのです。
http://www.excite.co.jp/ism/concierge/rid_19104/pid_2.html
須田さんの手法は、その展示方法にあります。精緻に植物を模した木彫を、展示室に堂々と構えるのではなく、隠れるようにしてふとした場所に潜ませることで、「どうですか?あなたたちに真贋がわかりますか?」と問いかけているようにも思える。美術館やギャラリーなどで展示をする場合、普段あまり注意を払わないような壁や床、天井などに、作品をさりげなく自然に設置しており、観る者の意表を突く空間を作り上げています。(これを探すのも面白い)皆さんも須田さんの展覧会に行くときには、どこにあるのか、探してみてくださいね!気がつくかな?僕は残念ながら気がつかなかった。
*現在ヤフー「デザインの深読み」から人気のあったブログだけを、加筆修正を行いながら引っ越しています。引き続きの読者の方には退屈だったら、ごめん!
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