中国のAIデータへの考え方は、様々な国、地域のデータを広く浅く持っているより、一つの国に数多くのユーザを抱えている方が有利だ。一人の人間に対してどれだけいろいろなデータを持っているかが重要。平均的な中国人ユーザーは、オンライン滞在時間の半分をWeChat上で過ごす。
アメリカのユーザーが、Facebook、Twitter、iMessage、Uber、Expedia、Instagram、Skype、Paypal、YouTube、Amazon、WebMDなどの個別サービスでやっているようなことを、中国人ユーザーはすべてWeChat上でやるのでデータを集めやすい。
中国ではAIは発見から実装のフェーズに入った。新しいアルゴリズムを発見した人が有利だった時代は終わり、今重要なのは実装だ。多くの資金とデータを持って早く動くところが勝つ。この意味で中国は有利だ。
中国が他国の技術をひたすら真似をする時代は終わりだ。起業家に製品の作り方を教え、彼らは優秀なプロダクトマネージャーになった。そして、彼らは速やかに次の段階に入り、アメリカの革新に触発され新しいプロダクトの特性を開発した。そのため微博(Weibo)はTwitter、淘宝(タオバオ)はeBay、微信(Wechat)はFacebook Messengerよりも機能性が高く、機能性が高いことでビジネスモデルが一層強くなる。
今日、中国企業は大量の新製品とサービスを打ち出していますが、中には米国でも見られていない革新的な製品とサービスが多数登場している。 今では中国のサービスを他国がコピーする時代に突入している。
中国は迅速なスタートと素早い改善で優位な環境を形成している。米国と比較して、中国の人々はデータのプライバシーにあまり注意を払わない傾向があり、道徳的な問題についての共同認識はさらに少ない。企業は危険を顧みず、実行することに専念し、独自の目標と会社のビジョン実現に専念する傾向が強い。このビジョンは往々にして世界的な野望を含んでいる。
今や政府は他のパートナーよりも低い報酬を受け入れるベンチャーキャピタルだ。政府はトライアンドエラーを認めており、失敗にも寛容な姿勢なので、これは中国トップのベンチャー企業にとって大きな励みになっている。
彼らは政府から資金を調達できるため、 一般的な資金調達ににかける時間を短縮できるので、より速やかに サービス開発に時間を割くことができるのだ。なお、この賢明なやり方はイスラエルとシンガポールの実績から影響を受けている。
「政府は科学技術を支持し、テストの実践を支持し、スピードを支持する。決して挑戦する彼らを封殺するために資金を使用してはならない。」という国を挙げてベンチャー企業をサポートする内容だ。
2016年7月、国務院は2020年までに中国はAI技術とその応用領域で最先端に立つ。2030年には世界主要のAI革新センターになると宣布している。
2019年6月20日 Speedy AI salon2よりAIコンサルタントの國本知里さんの講義録とリサーチがベースになっている。